和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

宇宙・海・大地で活性化 和歌山県が串本のロケット観光支援

ロケットの軌跡を示すサーチライト(和歌山県串本町で)
ロケットの軌跡を示すサーチライト(和歌山県串本町で)
 和歌山県は25日、串本町田原にできる日本初の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」を生かし、同町と南紀串本観光協会が「宇宙(そら)」「海」「大地」が総合的に体験できる町としての魅力づくりに取り組むことで地域活性化を目指すプロジェクトを支援すると発表した。事業期間は本年度から3年間。宇宙ガイドの養成、ロケット打ち上げの写真や映像のコンテストの開催、体験メニューづくりといった取り組みが支援の対象になるという。

 地域資源を活用して地域づくりに取り組む市町村を支援する県の「わがまち元気プロジェクト」事業。町と観光協会が計画しているさまざまなロケット関連事業を「宇宙(そら)と海と大地につながる町・南紀串本プロジェクト」(全体事業費2億3737万4千円)として取りまとめ、県へ計画書を提出。3年間で、補助金500万円を受けることが決まった。

 わがまち元気プロジェクトの対象となる事業では、来訪者の受け入れや交流拠点として町が旧古座分庁舎(串本町西向)の整備を進めていることに関連し、宇宙ガイドの人数を増やしたり、レベルアップしたりするための研修を開くことを予定している。

 また、国内外への情報発信の取り組みとして、実際に打ち上げられるロケットの写真や映像についてのコンテストを開催するほか、機運を高めるためにロケットに関する大型ポスターを町内各所に張っていく取り組みも計画している。

 さらに、遊漁船を活用したロケット打ち上げや周辺の見どころを周遊するクルーズ、宇宙・海・大地をテーマにした通年で楽しめる体験メニューづくりとモニターツアーの実施なども支援するという。

 「宇宙と海と大地につながる町・南紀串本プロジェクト」では、コロナ禍の影響を受ける前の2019年と比べ、観光客数は同年の165万5千人から24年には210万人に、宿泊者数を53万人から67万人に、教育旅行の誘致を12校から24校に倍増させることを目標としているという。

 町ロケット推進室の宮本宏保班長(47)は「県の補助を受けることができて大変ありがたい。今年の12月ごろに予定されているロケット初号機の発射に向け、観光協会と連携しながら地域の活性化を進めていきたい」と話している。