和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月22日(金)

新たに印南と那智勝浦加入 南紀エリアスポーツ合宿協議会

スポーツ合宿を誘致する「南紀エリア」の自治体
スポーツ合宿を誘致する「南紀エリア」の自治体
1月に串本町で合宿し、ポンカンなどの贈呈を受けるサッカーJ3松本山雅FCの名波浩監督(左)=和歌山県串本町サンゴ台で
1月に串本町で合宿し、ポンカンなどの贈呈を受けるサッカーJ3松本山雅FCの名波浩監督(左)=和歌山県串本町サンゴ台で
 和歌山県の田辺市と周辺5町(みなべ、上富田、白浜、すさみ、串本)、県でつくる「南紀エリアスポーツ合宿誘致推進協議会」は、新たに印南町と那智勝浦町が協議会に加わることを承認した。本年度から「南紀エリア」は8市町になり、より広域で連携して県外からの合宿を受け入れる。


 協議会は4月下旬、田辺市朝日ケ丘の西牟婁振興局で総会を開き、2021年度にオブザーバーとして参加していた印南町と那智勝浦町が正式に協議会に加わる規約の改正案を承認した。

 協議会は、設備が整ったスポーツ施設や恵まれた自然環境を県外にPRし、自治体の枠を超えて合宿を誘致しようと13年度に発足した。当初のエリアは田辺、上富田、白浜、すさみの4市町。14年度にみなべ町、17年度に串本町が加わった。

 協議会によると、印南町と那智勝浦町が加わったことで、受け入れる競技の種類が増える。印南町ではゴルフの合宿、那智勝浦町ではレスリングの合宿の誘致に力を入れるという。広域に合宿を受け入れることで希望する団体の取りこぼしも防げるといい「南紀エリアが合宿地として選ばれやすくなり、リピートにつながる」と話している。

■合宿受け入れ約2倍 6市町で21年度

 協議会によると、21年度に県外から受け入れた合宿の人数は、6市町で5万4334人。20年度に比べて2万5686人増えた。新型コロナウイルスの感染拡大によるキャンセルが5万2346人あったが、コロナ禍でも利用が見込める団体や、新規の団体にダイレクトメールを送るなどしてPRしたという。

 競技別では野球(1万6374人)、サッカー(1万3286人)、ラグビー(7542人)の順で多かった。

 野球では21年9月、田辺市と上富田町で大学女子硬式野球の全国大会が開かれた。サッカーでは22年1月、Jリーグのチームが上富田町や串本町で合宿。ラグビーでは21年11月、トヨタヴェルブリッツなどの社会人トップの3チームが上富田町で合宿した。

 印南と那智勝浦の2町が加わったことで、協議会は県外からの合宿受け入れを22年度に10万人、23年度に10万5千人、24年度に11万人という目標を立てた。

 本年度はパンフレットやプロモーション動画を作り直し、先進地への視察研修などで受け入れ態勢を強化する。武道館や弓道場がある田辺市では弓道や合気道を含めた武道、白良浜がある白浜町ではビーチスポーツなど、各自治体の特色を生かして合宿や大会を誘致するという。