和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

コミュニティーバス利用過去最少 みなべ町、コロナが影響

町内で運行しているコミュニティーバス(和歌山県みなべ町芝で)
町内で運行しているコミュニティーバス(和歌山県みなべ町芝で)
 和歌山県みなべ町は、町内で運行しているコミュニティーバスの2021年度の利用状況をまとめた。延べ利用者数は2888人で、過去最少だった20年度の3056人をさらに下回った。20年から始まった新型コロナウイルスの影響が続いている。


 バスは町の委託を受けて南部タクシーが運行している。中心部、山間部東部(清川)、山間部西部(高城)、岩代の4ルートがあり、事前に予約する「デマンドタクシー方式」。9人乗り車両を走らせている。

 延べ利用者数は、運行が始まった07年度から3年間は9千人前後で推移したが、10年度から減少傾向となっている。19年度には、18年度に高齢者の免許証自主返納を支援する事業が始まったことで、それまでで最少だった18年度の3862人から一転、4351人に増え、回復の兆しが見えたが、20年度に3056人まで減った。21年度はさらに下回り、3千人を割った。

 21年度を月別に見ると、8月と1、2月が目立って少なかった。

 ルート別では、中心部は20年度の1122人が21年度には1138人に、岩代も274人が285人となり、少し増えた。一方、山間部は西部が400人が238人に大幅に減り、東部も1260人が1227人に減少した。

 町総務課は「2年連続で新型コロナが影響している。人口減の影響もあると思う」と話す。「新型コロナで利用を控えるのはやむを得ない。ある程度収束に向かえば、買い物や通院だけでなく、温泉や外出を楽しむのに利用してもらえればと思う」としており、今後、広報やチラシのほか、各区長に呼び掛けて利用を促進したいという。

■40人が自主返納 高齢者の免許証

 高齢者の免許証自主返納を支援する事業は、18年度から始まった。65歳以上の町民が自主返納すれば、南部タクシー(コミュニティーバス、定期便、タクシー)で利用できる乗車券1万5千円分のほか、みなべスタンプ協同組合加盟店で利用できる商品券5千円分がもらえる。

 21年度に自主返納した高齢者は40人で、20年度より9人少なかった。年代で最も多かったのは80代の21人。70代の11人、90代の7人と続いた。減少傾向にあるが、町総務課は「これまで一定数の人が自主返納しているので、今後、そう増えることはないだろうが、高齢者が被害者になったり、加害者になったりする交通事故は多いので、返納を勧めていければと思う」と話している。