和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

冬の古道歩き楽しんで 本宮温泉郷で周遊バス試験運行

熊野本宮温泉郷周遊バスルート
熊野本宮温泉郷周遊バスルート
 和歌山県や田辺市、バス会社でつくる「紀伊半島外国人観光客受入推進協議会」は、16日から田辺市本宮町の熊野本宮温泉郷で、周遊バスを試験運行する。熊野古道歩きを楽しむ観光客の需要に合ったダイヤを検討するのが狙い。語り部との熊野古道歩きを組み合わせたプランも販売し、効果を検証する。


 観光庁の補助事業を活用した実証実験で、来年2月16日まで。湯の峰温泉や渡瀬温泉、川湯温泉などのバス停を午前8時、9時台に周遊し、熊野本宮大社前から発心門王子へ向かう路線バスに接続させる。夕方には本宮大社前から温泉郷への便もある。

 協議会によると、温泉郷の宿泊客が本宮大社に向かう路線バスは、住民の利用に合わせ午前6時、7時台などになっており、ゆっくりチェックアウトしたい層からは9時、10時台の運行を求める声があった。現状では宿泊施設が大社や熊野古道発心門王子まで送るなどしているという。

 夕方も温泉郷でのチェックインの時間帯に合う路線バスが少なく、ここでも宿泊施設が本宮大社前まで迎えに行くケースが多いという。実証実験では午後4時、5時台の便を運行する。

 販売するのは、1日自由に乗り降りできる周遊バスパス500円、周遊バスパスに語り部と歩く古道ウオーキングを加えたプラン1500円、さらに弁当付きのプランは2千円。いずれも税込み。古道ウオークは発心門王子から熊野本宮大社(約7キロ、5時間程度)。

 利用日の3日前午後5時までは、田辺市熊野ツーリズムビューローの「KUMANO TRAVEL」でのウェブ販売。利用日3日前の午後5時以降は熊野本宮観光協会や宿泊施設などで販売する。

 周遊バスのプランは温泉郷の各宿泊施設で案内するほか、東京や京阪神の観光案内拠点、大阪のJR主要駅などにチラシを置いてPRしている。

 協議会は「バスの利用状況や効果を分析し、二次交通(空港や駅から観光地までの移動手段)を活用した本宮の周遊環境の向上に取り組みたい」と話している。