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2024年11月15日(金)

”夢の花”満開 旧清川中でアートイベント

旧清川中学校の教室に飾られた梅の花のアート。子どもの夢が書かれている(27日、和歌山県みなべ町清川で)
旧清川中学校の教室に飾られた梅の花のアート。子どもの夢が書かれている(27日、和歌山県みなべ町清川で)
大人気だったパンの販売コーナー
大人気だったパンの販売コーナー
 和歌山県みなべ町清川の旧清川中学校で27日、小中学生が将来の夢を書いた台紙を花のように飾るイベント「Y―ume(ゆめ)のなる木 やにこい旧校アート」と、パンなどを販売する「やにこい旧校マルシェ」が開かれた。町内外から大勢が訪れ、アートや買い物を楽しんだ。


 2月に開催予定だった「UME―1フェスタ」(町など主催)が中止となったため、町商工会青年部(岩本智良部長)が「旧校の雰囲気を楽しみ、思い出をつくってもらおう」と企画した。

 アートは南部高校美術部が協力して取り組み、1階の教室に飾られた。梅の木の作品を中央に据え、梅の花が咲き誇るように花の形をした白とピンク色の台紙計約2千枚のほか、球形のランタンやハニカムボールを天井からつったり、壁に貼ったりして飾った。台紙は、町内の小中学生が将来の夢を書いたものを使った。「美容師」「パティシエ」「イラストレーター」「プロ野球選手」「警察官」などの職業のほか、「自立した大人になる」「人の役立つ仕事をしたい」「世界旅行する」といった目標もあった。

 オープンと同時に家族連れらが訪れ、自分の書いた台紙を探す子どもの姿が見られた。

 森口園乃子さん(14)=南部中2年=と結衣子さん(9)=岩代小3年=の姉妹は、祖母(74)と一緒に訪れた。園乃子さんの夢は「人の笑顔を作ることができるような仕事につく」、結衣子さんは「明るく元気にはたらくてん員さんになりたい」。祖母は「いいことを書いている。ずっと忘れないようにしてほしい」と目を細めていた。

■パン販売に長蛇の列

 他の教室や運動場では、町内外の11店によるパンのほか、地域の特産品や手作り雑貨などが販売された。

 中でもパンコーナーは大人気。午前10時に開店予定だったが、イベント開始の午前9時から並ぶ客もいて長蛇の列となり、10分早めて開店。1時間ほどで売り切れる店もあった。

 梅システムの魅力を発信する「みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会」のプロジェクトの一つ「まちキャンパスプロジェクト」は、カプセル自動販売機「ガチャガチャ」でウバメガシや梅の枝で手作りしたキーホルダー、備長炭のミニ飾りなどを販売。地元の住民有志も、赤色が特徴の梅「露茜」のジャム、手作りこんにゃくなど地域の特産品をアピール。町内の事業所の女性らでつくる「みなべおかみ元気会」は、各店自慢の商品を並べていた。