和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

炎の弧、夜空染める 学生が協力する最後の柱松

高さ約8メートルの「巣」を目掛け、学生らが投げたたいまつの炎の弧=17日、和歌山県すさみ町佐本中で
高さ約8メートルの「巣」を目掛け、学生らが投げたたいまつの炎の弧=17日、和歌山県すさみ町佐本中で
 和歌山県すさみ町佐本中の旧佐本小学校で17日夜、地域の伝統行事「柱松」があった。7年前から、行事を支えてきた摂南大学(大阪府寝屋川市)の学生による活動は今年で最後とあって、例年以上の人が来場。高さ約8メートルの柱松の先端に投げ込まれるたいまつが作る炎の弧に見入った。

 無病息災を願う佐本地域の盆行事・柱松は200年以上の歴史があるとされる。長年、主催していた地元保存会が2011年に解散。翌年から摂南大の学生が中心となって開催していたが、担当教員の1人が定年となることなどから、この行事への協力は今回が最後となった。

 今年は当初、16日に開催予定だったが、台風10号の接近に伴って延期になった。それでも当日は地域外の町民も多く見物に訪れた。

 行事は午後7時ごろに始まった。柱松の先端に付けた「巣」(稲わら)を目掛け、学生らがたいまつを次々と投げ上げた。着火すると見物客らから歓声が上がった。

 学生たちは、柱松の準備から終了までを動画や写真で撮影したデータを残す。OB、OGからの提供分も合わせて編集し、USBメモリーに保存する。もし柱松が中断しても、データを基に復活させられるようにするためだ。