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2024年12月19日(木)

【動画】ソフトと空手が全国に挑む 熊野高の2クラブ、練習に工夫

守備や打撃の練習をするソフトボール部(上)と、男女で組手の練習をする空手道部=和歌山県上富田町朝来の熊野高校で
守備や打撃の練習をするソフトボール部(上)と、男女で組手の練習をする空手道部=和歌山県上富田町朝来の熊野高校で
 熊野高校(和歌山県上富田町朝来)の女子ソフトボール部と空手道部女子が、今月開かれる全国選抜大会に出場する。ソフトボール部は初、空手道部は2年連続2回目。ともに1、2年生の部員は高校に入学してからそれぞれの競技を始めた「初心者」が多いというが、練習を工夫して全国に挑む。

■自信持って本番へ ソフトボール部

 「全国に出場するからといっても、やることは変わらない」と話すのは、ソフトボール部顧問の城貝裕久監督(58)。中学校からソフトボールをしている経験者と、高校から始めた初心者の差が少しでも縮まるような練習を心掛け、チームの底上げを図っている。

 走者を一塁に置いた実戦形式の練習では、皆で声を掛け合って、守備位置や送球、走塁などを確認している。

 打撃練習では、左打者の多さが目立つ。未経験者は入部してすぐに出塁率が高い左で打つ練習をするため。少しずつできることが増えて「私でもできる」と自信を持ってもらうことが大切だという。

 19~22日に広島県尾道市で開かれる全国選抜大会では、1回戦で青森県代表の柴田学園と対戦する。相手は私立の強豪。熊野は主将で投手の山田みのりさん、捕手の切畑奈々さん(ともに2年)のバッテリーを中心に守りを固め、いかに失点を抑えるかが初戦突破の鍵を握る。

 山田さんは「自分たちの思いを出し切り、ミスを恐れずにプレーしたい」と、意気込んでいる。

■実戦形式で楽しく 空手道部

 空手道部は、実戦形式の練習に多くの時間を割いている。顧問の宮地良斉監督(46)は「うちは初心者が多く、基本から始めると時間が足りない。試合に勝てばうれしいし、それがモチベーションにつながる」と説明する。

 24~26日に仙台市である全国選抜大会に出場するのは、近畿大会で3位に入賞した組手の女子団体。対戦相手は23日の抽選で決まる。

 女子の部員は、全国で対戦する選手のスピードに対抗するために、男子を相手にして組手の練習をしている。部員は1、2年生の男女合わせて25人。全国の高校空手道部の中では人数が多く、男女合同の部であることが強みになっている。

 熊野が重視するのは、試合に勝つための動き。組手の試合では最初にポイントを取れば有利になる。本番を直前に控え、素早く動いて先取点を奪う練習や、リードされても逆転する可能性がある蹴りなど「大技」の練習に取り組んでいる。

 女子主将の玉置里佳さん(2年)は「全国を勝ち抜いて夏の総体につなげたい」と、気合十分だ。