和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月15日(金)

「梅産地を未来に」 発表の山本さんに農林水産大臣賞

山本宗一郎さんの発表動画
山本宗一郎さんの発表動画
山本宗一郎さん
山本宗一郎さん
 全国農業青年クラブ連絡協議会主催の第60回全国青年農業者会議がこのほど、オンラインで開かれ「梅産地を未来につなげる伐採班の活動」を発表した、和歌山県みなべ町清川の山本宗一郎さん(34)がプロジェクト発表の地域活動部門で最優秀に当たる農林水産大臣賞を受賞した。

 毎年、全国各地から選抜された青年農業者が日頃の調査研究活動や経営目標についての成果を発表し、協議会が優秀事例を表彰している。新型コロナウイルスにより昨年度は中止となったが、本年度はオンラインで開催。プロジェクト発表の地域活動部門に7人、園芸・特産作物部門に6人、土地利用型作物部門に4人、畜産経営部門に4人、意見発表部門に8人が出場し、それぞれ活動成果を発表した。

 全国の農業団体代表らが審査し、各部門で農林水産大臣賞、農林水産省経営局長賞、全国農業青年クラブ連絡協議会長賞を1点ずつ選んだ。2日に入賞者を発表した。

 山本さんは日高地方、県、近畿の予選を経て全国大会に出場した。山本さんは、みなべ町の農業後継者らでつくる4Hクラブ「みなべ梅郷クラブ」のメンバーで、世界農業遺産にもなっている梅栽培について、病害虫の被害を減らし、景観の維持にもつなげるため、耕作放棄地に生えた草木の伐採を計画。クラブ内で班を結成し、伐採作業を請け負うとともに、伐採後の園地に備長炭の原料であるウバメガシの植樹を地域住民やさまざまな団体のメンバーとともに行っている。とりわけ各種団体との連携による取り組みが評価されており、青年農業者会議ではそれらの活動を発表した。

 みなべ梅郷クラブは2011年の第50回全国青年農業者会議でも、全国農村青少年教育振興会長賞を受賞している。

 今回の受賞に山本さんは「梅システムを未来につなげようと始めた。メンバーの協力や各種団体、県、町の皆さんのおかげで順調に進んできた。その活動が評価されてうれしい。梅や備長炭の産地の維持に向け、これからも続けていきたい」と話している。

 発表動画は同協議会のホームページ(https://zenkyo4h.com/meeting/)で視聴することができる。