和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月15日(金)

放棄園の梅伐採6園で実施 みなべ梅郷クラブ

耕作放棄地の梅の木を伐採するみなべ梅郷クラブのメンバー(和歌山県みなべ町東本庄で)
耕作放棄地の梅の木を伐採するみなべ梅郷クラブのメンバー(和歌山県みなべ町東本庄で)
 和歌山県みなべ町の農業青年でつくる4Hクラブ「みなべ梅郷クラブ」は本年度から、耕作放棄地対策として、放棄園の梅の木の伐採を有償で請け負う活動を始めており、6園、計約70アールで実施した。クラブは「今後も少しでも放棄されたままの土地を減らしていければ」と話している。


 町内では、高齢化や後継者不足などで耕作放棄地が増えつつあり、放っておくと病害虫や獣害を広げることにもなるため、その防止と、世界農業遺産認定の地としての景観維持の目的も含めて、クラブで有償で伐採を請け負うことにした。費用は1反(約10アール)当たり最大4万円。

 活動を始めたところ、問い合わせも多いといい、本年度は5人の農家から依頼を受けた。そのうち1人の園地は、クラブのメンバーが園を引き継いで栽培することにし、それ以外の町内の東本庄、晩稲、埴田、山内地区の計6園、約70アールで梅の木を伐採した。

 クラブは、他の団体とも連携しながら取り組む方針で、山内地区の園では、JA紀州青年部みなべいなみ支部と一緒に活動した。

 6園のうち、1園は今年でやめるので切ってほしいという依頼で、その他は、何年か放棄された園だったという。本年度最終となった10日には、東本庄の放棄地約25アールで20代から30代のクラブメンバー12人が出て伐採した。

 町内では備長炭の原木不足の課題もあり、耕作放棄地で伐採した後に園主とも相談して、周りに影響のない植樹可能な場所であれば、補助金を活用してウバメガシの苗木を植えようと考えているが、本年度伐採した場所での植樹はなかった。

 伐採担当の山本宗一郎さん(33)は「費用のかかることなので難しい面もあるが、今後少しずつでも放棄されたままの土地を減らして、地域の役に立てればと思う。伐採には労力がかかり、自分たちのクラブだけではなかなかできない部分もあるので、他の団体とも協力して取り組んでいきたい」としている。

 伐採の希望や問い合わせは、山本さん(090・7880・7721)へ。