和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

若手料理人の頂点目指す シェフ―1GPに田辺の小竹さん

シェフ―1グランプリの県代表に選ばれた小竹雄一朗さん(和歌山県田辺市稲成町で)
シェフ―1グランプリの県代表に選ばれた小竹雄一朗さん(和歌山県田辺市稲成町で)
 和歌山県田辺市稲成町にキッチンを構えるフリーの料理人、小竹雄一朗さん(33)が、47都道府県の若手料理人が競う「CHEF(シェフ)―1グランプリ2022」(ABCテレビ)の県代表に選ばれた。地元の食材を使った独自メニューで、頂点を目指す。

 小竹さんは店舗を持たず出張料理や商品開発を手掛けているほか、月に1、2回、季節の料理を詰めた弁当やオードブルを販売している。

 佐賀県出身。老舗料亭「京都吉兆」(京都市)で10年間修業した。「本店では1人5万~6万円のコースを食べに来てくれる。きっと、お客さんは料理を通して旅をしているのだと感じた」。季節や文化を感じ、遠くに行けなくても食材を通して全国を旅できる。「そんな体験を届けたい」と名刺には「旅理人」と記す。

 フリーの料理人として京都を拠点に活動していた5年前、知人の紹介で田辺市で食のイベントに携わったのがきっかけで市内の生産者とつながりが生まれ、2年前から同市を拠点にしている。

 小竹さんは「海山川の自然がすぐそばにあり、食材が豊富。生産者との距離も近い」と田辺市の魅力を語る。かんきつ類や梅の収穫を体験。ジビエは狩猟から血抜き、解体まで経験した。「生産者の苦労やこだわりが実感でき、食材をより大切に使うようになった」と話す。

 「シェフ―1」への出場も「実力を試したい」だけでなく、生産者に喜んでもらいたいとの気持ちが強かった。「勝ち進めば紀南の食材も注目される。一皿に思いを表現したい。優勝を目指して頑張る」と意気込んでいる。

 「シェフ―1」は世界に通用する若手料理人を発掘しようと、昨年からスタートした。今年は全国から461人の応募があり、「地元の食材を使った、あなただからこそできる料理」をテーマにしたレシピによる1次選考を通過した95人が、6エリアでの予選(2次選考)に臨む。小竹さんの出場する近畿予選は21日。4~6月に3次選考、夏に全国大会がある。

■ひな祭りにちらしずし

 小竹さんは5、6の両日、春の芽吹きを表現した春菜ちらしずしとオードブルを稲成町80の2のキッチンで販売する。4日までに予約が必要。

 両日ともちらしずし(2千円)は30個(受け取り午前11時~午後1時が20個、午後4時~6時が10個)、オードブル(1万円)は午後4時~6時の受け取りで5個限定。

 予約は小竹さん(070・4075・1696)へ。