和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月30日(土)

ジオガイド23人誕生 串本からオンラインで報告

オンラインで開催された「南紀熊野ジオパークフェスタ」で新人ガイドとしての抱負を述べる坂本直弥さん(左)=和歌山県串本町潮岬で
オンラインで開催された「南紀熊野ジオパークフェスタ」で新人ガイドとしての抱負を述べる坂本直弥さん(左)=和歌山県串本町潮岬で
南紀熊野ジオパークセンター内に展示されているフォトコンテストの入賞作品(和歌山県串本町潮岬で)
南紀熊野ジオパークセンター内に展示されているフォトコンテストの入賞作品(和歌山県串本町潮岬で)
 地域住民にジオパークの魅力に触れてもらおうと開いている「南紀熊野ジオパークフェスタ」が11日、コロナ禍のため、和歌山県串本町潮岬の南紀熊野ジオパークセンターからオンライン配信であった。5年ぶりに開かれたガイド養成講座で23人が認定試験に合格したことが報告され、代表者に修了証を交付。新人ガイドが「世界から注目を集める南紀を見てもらいたい」などと意気込みを語った。

 フェスタは2014年から毎年開いており、今回で9回目。南紀熊野ジオパーク推進協議会と環境省近畿地方環境事務所の主催で、当初は那智勝浦町天満の体育文化会館での開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のためオンライン配信に変更した。

 この日は主催者である推進協議会会長の仁坂吉伸知事に代わり、生駒享・県環境生活部長があいさつし「地域の皆さんにジオパークの魅力をもっともっと知ってもらいたいと開いている。本年度は5年ぶりにガイドの養成講座を実施し、さらに裾野と活動の幅を広げたいと新たなメンバーを養成した。先輩ガイドと一緒に大いに活躍されることを期待している」などと呼び掛けた。同事務所吉野熊野国立公園管理事務所の藤田道男所長は「国立公園とジオパークの各種の取り組みを相互に連携させることで、地域の持続可能な発展に貢献していきたい」と述べた。

 16年度以来の開催となったガイドの養成講座は昨年9月に始まり、座学や現地での研修を経て、23人が今年1月中旬に開かれた認定試験に合格。代表して串本町中湊の公認会計士、坂本直弥さん(53)が出席して生駒部長から修了証を受け取り「コロナ禍で準備も大変だったと思うが、関係者の皆さまや諸先輩方、ありがとうございます。今回の研修を生かし、世界から注目を集める南紀という場所で、ジオと文化、人といったさまざまな要素を皆さんに見ていただけるお手伝いができれば」と抱負を述べた。

 協議会事務局によると、本年度の養成講座には計35人が参加。コロナ禍の影響で認定試験を受ける要件を満たせないケースも出たことなどから、今年7月にも認定試験を行い、8人が受験する予定という。

 ガイドたちが所属する南紀熊野ジオパークガイドの会の上野一夫会長(73)は「新しくガイドになられた方は個性豊かな方が多いと聞いており、今までとは違った新しいこともできるのではないかと期待している。皆さんと一緒になって南紀熊野ジオパークを盛り上げていきたい」と話していた。

■「知らない情景たくさん」 フォトコン最優秀、田上さん

 フェスタではこのほか、南紀熊野ジオパークフォトコンテストで最優秀賞を受賞した田上盛一さん(上富田町)の表彰式の様子を紹介した。田上さんの作品「朝日を浴びて」は白浜町のシガラミ磯で撮影。「第1回から応募しており、この賞は初めて。ジオパークは関係市町村全てに行って約6割のジオサイトを見てきたが、今まで知らない情景がたくさんあり、楽しく撮影できた。今後も新しい発見を求めて撮影に行きたいと思う」と受賞を喜んだ。

 入賞作品24点は、センター内に展示されている。

 また、新たな取り組みとして本年度に結成した中高生でつくる「南紀熊野ジオパーク探偵団」のメンバーが海洋ごみの調査などについて活動を報告した。団長を務める東垣・南紀熊野ジオパークセンター長が、新宮高校の坂本美波さんに「優秀研究発表特別賞」、海南高校の中西弘汰郎君、新宮高校の寺地航琉君と深瀬孔一郎君に「優秀研究発表賞」を贈った。

 このほか、那智勝浦町でのジオパーク活動の紹介や、東センター長による「世界に伝えたい南紀熊野ジオパークの魅力って何だろう」と題した講演があった。

 フェスタの様子は南紀熊野ジオパークのホームページ(https://nankikumanogeo.jp/)から見ることができる。