和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月22日(金)

【紀南探検隊】パート9(5)新宮、和歌山に…長野?/古びた道路標識の示す先

直進は「新宮」、左折は「長野」と書かれた国道424号沿いにある道路標識(和歌山県田辺市高雄で)
直進は「新宮」、左折は「長野」と書かれた国道424号沿いにある道路標識(和歌山県田辺市高雄で)
地図・道路標識
地図・道路標識
 和歌山県田辺市高雄の国道424号愛宕トンネル近くにある古い道路標識が、ふと目に留まった。標識は北進と南進の両方に設置されており、北進は「和歌山97km」、南進は「新宮117km」と書かれている。

 しかし、東方面への表示は「長野8km」。なぜ、万呂でも三栖でも上秋津でも龍神でもなく、長野なのか。

 3桁の国道は県の管理。県西牟婁振興局管理保全課に聞くと、この標識は県の「道路標識台帳」にも掲載されており、県が管理しているものに違いないという。

 しかし、この辺りの国道424号はかつて国道42号であり、国が管理していた。この標識も国が設置したもので、1998年に道路が県に移管される時に引き継いだそうだ。詳細な資料はなく、いつ設置されたのか、なぜ長野と表示されたのかは分からなかった。

 ならばと、国土交通省紀南河川国道事務所(田辺市中万呂)を訪ねた。道路管理課の担当職員によると、愛宕トンネルは65年度に完成した。この標識はトンネルから続く道沿いにあることから、トンネル開通後の65年度以降の間もない時期に設置されたとみられると教えてくれた。

 しかし、長野と表示された理由は謎のまま。「私たちも知りたい」と担当職員。当時のいきさつを知っている方はぜひ、紀南探検隊までご一報を。
(中沢みどり)