和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月15日(金)

春の味覚最盛期 ハウスのウスイエンドウ収穫

最盛期を迎えたウスイエンドウを収穫する農家(1日、和歌山県みなべ町東本庄で)
最盛期を迎えたウスイエンドウを収穫する農家(1日、和歌山県みなべ町東本庄で)
 全国有数のウスイエンドウの産地である和歌山県のみなべ町や印南町で、ハウス産の収穫が最盛期を迎えている。ハウス産は5月上旬までで露地産も4月から始まる。


 JA紀州みなべ営農販売センターによると、みなべいなみ豆部会所属でウスイエンドウをハウス栽培している農家は162軒あり、栽培面積は計約23ヘクタール。露地栽培は127軒で計約12ヘクタール。ハウス栽培は、みなべ町では上南部地域を中心に1970年代後半から始まり、今では町内で梅に次ぎ栽培量が多い農産物になっている。

 今季のハウス産は、9月中に種をまき、12月中旬から徐々に収穫が始まった。秋の雨不足でかん水に苦労したが、順調に育ち、病害虫の被害も少なく、作柄は平年並みだという。

 梅との複合栽培だという同町東本庄の坂本和樹さん(49)も家族で12月中旬から収穫を始めた。2週間に1回のペースだったが、現在は10~12日間に1回になっている。今月末になるともっとペースが縮まる。一つずつ丁寧に収穫しており、作業に追われるという。坂本さんは「ウスイの価格は安定している。リスク分散もあって梅とウスイの栽培を半々にしている。春の味覚なのでぜひ味わってもらいたい」と話している。

 収穫されたウスイエンドウはJAを通じて関西や中京の市場に出荷している。みなべいなみ豆部会からの出荷は平年並みの460トンを見込んでいる。それとは別に、農家が地元の農産物直売所などに持ち込むものもある。

 ウスイエンドウは春の定番野菜で、グリーンピースに似ているが、よりホクホクとした食感で甘い。豆ご飯や卵とじにするのが一般的で、焼きウスイも人気だという。