和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

文化財登録証とプレート伝達 串本町西向の旧谷畑家住宅

登録有形文化財のプレートを受け取る古座あさかぜ園の佐武寛子園長(右)=26日、和歌山県串本町西向で
登録有形文化財のプレートを受け取る古座あさかぜ園の佐武寛子園長(右)=26日、和歌山県串本町西向で
登録有形文化財になった「旧谷畑家住宅(こざがわ)主屋」(和歌山県串本町西向で)
登録有形文化財になった「旧谷畑家住宅(こざがわ)主屋」(和歌山県串本町西向で)
 和歌山県の串本町教育委員会は26日、国の登録有形文化財(建造物)に登録された同町西向の「旧谷畑家住宅(こざがわ)主屋」を所有する県福祉事業団(本部・上富田町岩田)に、文化財の登録証とプレートを伝達した。串本町内の登録有形文化財は3カ所目。同住宅は現在、障害者の就労施設(飲食店・ギャラリー)として活用されており、関係者は「励みにして頑張りたい」と話している。


 旧谷畑家住宅は古座川河口近くにあり、かつて材木商を営んだ谷畑家の住宅として1954年に建設された。木造2階一部平屋建ての入母屋造、瓦ぶきで建築面積は175平方メートル。庭や川に面する所はガラス戸にして眺望を楽しめる造り。良材を用い、丁寧な造作の近代和風住宅。「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として昨年6月24日に登録された。

 県福祉事業団が2017年に取得して改修し、19年4月から、事業団の古座あさかぜ園が一般就労を目指す障害者のための就労移行支援事業として「うどんとうなぎの古座川」(火曜定休、営業時間午前11時~午後2時)を運営している。

 この日は町教委の鈴木一郎教育次長が、古座あさかぜ園の佐武寛子園長(60)に登録証と砲金製という登録有形文化財プレート(縦21センチ、横30センチ)を伝達。事務局が、届け出が必要となるケースなど登録有形文化財の制度について改めて説明した。登録されると、修理の際の設計費用の半額が補助されるといったメリットもあるという。

 プレートなどを受け取った佐武園長は「登録していただくことができてうれしいし、皆の励みになる。大切に活用させていただきたい」と話していた。

 町教委によると、町内ではこのほか、同町樫野の樫野埼灯台旧官舎、同町串本の旧神田家別邸(稲村亭)が登録有形文化財になっている。