和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月27日(水)

【詳報】知事が外出自粛要請 和歌山県、コロナ感染過去最多更新

新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、不要不急の外出を控えるよう、県民に要請する仁坂吉伸知事(18日、和歌山県庁で)
新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、不要不急の外出を控えるよう、県民に要請する仁坂吉伸知事(18日、和歌山県庁で)
 和歌山県は18日、県内で新たに196人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。過去最多だった15日と16日の157人を大幅に更新、入院待機者は前日より138人多い411人となった。発表直後の18日夕、仁坂吉伸知事は急きょ、記者会見を開き、不要不急の外出を控えるよう、県民に求めた。期限は定めていない。


 不要不急の外出自粛要請は、昨年8~9月以来で4回目。知事は「モードを変えないといけない。県民の皆さまには大変申し訳ない」と述べた。18日発表の感染者数を見て判断したといい「いまはどこでうつるか分からない。従来のように普通に対策しながら生活するのでは、感染拡大は止められない」と説明した。ワクチン接種者や陰性確認をした人も対象としている。

 まん延防止等重点措置の政府への要請については「まだ結論を出すのは早い。いまは、一般的に用心していただく方がいいと思っている」とした。一方で「(全員入院を維持できず)自宅療養をせざるを得ない状況にある。事情は変わってくるので、(まん延防止等重点措置を)お願いする可能性は排除しない」とも述べた。

■和歌山市で104人感染
「本当に危機意識持って」

 新規感染者の保健所管内別の内訳は、和歌山市104人、岩出34人、湯浅24人、橋本19人、田辺と新宮、御坊が各3人、海南2人、県外在住が4人。和歌山市と湯浅は過去最多。田辺は1人が家族内感染とみられ、あとの2人はこれまで発表があった感染者との関連が分かっていない。

 直近1週間の人口10万人当たり感染者数は初めて3桁となり107・3人。保健所管内別では和歌山市(139・4人)、岩出(138・3人)、湯浅(122・9人)、橋本(112・1人)、海南(49・0人)で過去最多を更新した。田辺は59・3人。

 県は、和歌山市の向井病院を107件目のクラスターに認定した。入院患者に対応する看護師女性5人の感染が分かったため。職員約40人、入院患者約70人の計約110人を検査している。病院のクラスター認定は2日連続。

 すでにクラスターに認定されている和歌山市の通所介護施設「なごみの郷あゆむ」では感染者が3人増えて14人。同市の「第二ひまわりこども園」でも3人増えて10人。同市の市医師会看護専門学校も3人増えて9人となった。

 また、同じ飲食店で開かれた、岩出保健所管内と橋本保健所管内の成人式後の同窓会で、新たに参加者1人の感染が判明。41人となりクラスターで過去最多を更新した。

 県福祉保健部の野尻孝子技監は、まだ感染者が増える可能性があるとした上で「何度も申し上げているが、本当に危機意識を持ってください。それしかございません」と語気を強め、対策の徹底を呼び掛けた。

 現在の感染者は938人。うち入院者は527人で、病床の使用率は85・0%。「第6波」で再感染した人は3人増え、16人となった。