和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月22日(金)

ジビエやモクズガニでキャンプ飯 古座川町観光協会が冬の集客強化

モクズガニのパエリアを作る芸人のたけだバーベキューさん(左)と、完成を楽しみに待つ参加者(和歌山県古座川町相瀬で)
モクズガニのパエリアを作る芸人のたけだバーベキューさん(左)と、完成を楽しみに待つ参加者(和歌山県古座川町相瀬で)
 観光客が減少する冬場の集客強化や、冬の一大イベント創出を目指し、和歌山県の古座川町観光協会は8、9日、首都圏の旅行会社や食品会社の社員らを招き、キャンプ場を併設する道の駅「一枚岩monolith(モノリス)」(古座川町相瀬)で、1泊2日のキャンプイベントを開いた。参加者は地元食材をふんだんに使った「キャンプ飯」を調理して味わったり、テントサウナなどさまざまな体験をしたりして、古座川の魅力を堪能した。


 町観光協会は、コロナ禍で失われた観光需要の回復や地域経済の活性化に向け、関係者が連携して観光資源を磨き上げる実証事業を支援する観光庁の取り組みに選ばれている。今回のキャンプイベントもその一環で、全国的に「冬キャンプ」の人気が高まっていることに着目した。

 新型コロナウイルス感染対策として事前にPCR検査を受けた上で、11人が参加した。バーベキュー芸人として活躍している「たけだバーベキュー」さんら芸能人もゲストとして参加した。

 キャンプ飯では、地元の猟師が昔から食べているイノシシのあばら肉の鍋、アユの塩焼き、ジビエピザやソーセージ、鹿肉のステーキなどを味わった。

 たけだバーベキューさんは、古座川で取れたモクズガニや近隣の海で取れたマンボウの内臓、地元産のニンニクなどを材料にして、大きなバーベキューグリルで「パエリア」を調理。米や材料を炊くスープにはモクズガニのゆで汁を使った。

 JTB東京多摩支店営業担当課長の中澤俊彦さん(41)は「モクズガニのパエリアはこれまで食べたことがない味ですごくおいしかったし、猪鍋や他の料理も全ておいしかった。生産者の話をじかに聞いた上で食べられるという特別感は何物にも代え難い」と舌鼓を打っていた。

 イベントにはジビエ関連施設や道の駅の運営事業者、アユのおとり店、北海道大学和歌山研究林、革製品の職人など町内のさまざまな事業者が協力しており、参加者は鹿革のポーチや渓流釣りのための毛鉤(けばり)作り、木工クラフトなども体験した。

 町観光協会の須川陽介会長(37)は「参加者から頂いた意見を生かし、キャンプ飯やテントサウナを中心にした『冬キャンプ』を、新たな冬の観光の柱にしていきたい」と話していた。