和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月20日(金)

産婦人科医慰留したものの 串本、分娩受け入れ喫緊の課題

常勤医師1人が年間約40件の分娩に対応しているという町立病院(和歌山県串本町サンゴ台で)
常勤医師1人が年間約40件の分娩に対応しているという町立病院(和歌山県串本町サンゴ台で)
 和歌山県串本町議会の12月定例会が6日に開会し、田嶋勝正町長が諸報告で、くしもと町立病院の分娩(ぶんべん)受け入れについて説明。退職の申し出があった産婦人科医師を慰留して2022年度は留任するものの、新宮市立医療センターが来年3月から分娩を休止する問題もあり、23年度に向けた体制の検討が地域全体の喫緊の課題であるとの認識を示した。

 田嶋町長は、以前から退職の意向が示されていた町立病院の医師から10月初旬、本年度末での退職の申し出が再度あったことを説明。「後任医師の確保ができない以上、休診やむなし」と判断したが、その後、新宮市立医療センターから医師確保のめどが立たず、来年3月中旬以降の分娩を休止するとの連絡があったことから、急きょ慰留について再交渉をし、1年限定の留任について了承を得たという。

 田嶋町長は「来年度も分娩受け入れが可能となることで妊産婦の皆さんにも安心していただけるものと考えているが、23年度に向けた産婦人科体制については新宮医療圏域全体で考えなければならない喫緊の課題。今後、県を含め関係市町村で取り組んでいきたい」と述べた。

 医療センターで3月中旬以降に予定されていた分娩については「当院と市内民間クリニックなどで、でき得る限り対応できるよう現在調整をしている」と説明した。

 また、新型コロナワクチンの3回目接種について「医療従事者などは12月から、高齢者と一般の方は来年1月から順次ワクチンの接種を始める予定。住民の皆さんが安心して接種を受けられるよう、接種体制の円滑な準備に努める」と説明した。

 町は本年度の一般会計補正予算案など議案17件を提案した。12月定例会の会期は20日までの15日間で、15~17日に一般質問を予定している。