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2024年12月23日(月)

副知事の人事案見送り 和歌山県、議員の理解得られず

和歌山県庁
和歌山県庁
 和歌山県の仁坂吉伸知事は22日、県議会12月定例会(29日開会)を控えた県議会議会運営委員会(議運)に、安倍内閣で内閣官房参与を務めた県内出身の元財務官僚、本田悦朗氏を新たに副知事に起用する人事案を提出しなかった。事前に県議から反対意見があったためという。

 知事が議会に提案する議案は、開会1週間前の議運に提出される。本田氏の副知事起用案は、今回の議運に出す可能性があるとされていた。しかし、仁坂知事が事前に相談した県議からは、長年1人体制だった副知事を2人体制とする理由などについて、理解が得られなかったとみられる。

 議運後、仁坂知事は報道陣の取材に応え「議会運営委員会に出していないので、詳細を説明するわけにはいかない」とした一方「(県議会の)有力な党派が相談されているようなので、先に(人事案を)出してしまうのは失礼なのでやめておいた」と述べた。ただ、理解が得られれば12月定例会中にも追加提案する可能性はあるという。

 現状の知事業務について「営業活動をたくさんしないといけないが、(時間の制約で)なかなか動けないという問題意識があった」とした。さらにいまは、社会情勢が大きく動いている時期であることから「営業力を強化してみたいと思った」と述べた。

 知事の後継含みではないかという指摘があることについては「後継とか何とかは考えていない。私が手を挙げたときも県内の政党有力者の方に担いでもらった。コンセンサス(合意)ができないとなかなか(知事選への)立候補もしにくい。一般論としてあり得ない」と話した。