和歌山県印南町印南の印南漁港で、漁業者用の仮眠所を改築して整備を進めている観光交流施設「かえるの港」に２４日、飲食店舗が先行して開業する。２７日には開業を記念したイベントがある。


　同町にＵターンした古田高士さんが代表を務める不動産コンサルタント会社「和み」の事業計画に、同町の食品製造会社「いなみの里梅園」が参画して整備を進めている。クラウドファンディングによる寄付と自己資金で、長屋形式の仮眠所をそれぞれの所有者から買い取り、今年夏に着工、建物がこのほど完成した。

　飲食店舗は、計画を知り応募したみなべ町の深見美乃さんが運営する。漁港にある紀州日高漁協から食材を仕入れ、海鮮メニューを中心に提供する。店舗名は「オレンジキッチン」。窓際にカウンター席、屋外にウッドデッキの客席も設けた。営業時間は午前１１時～午後４時半。来年３月末の施設全体のグランドオープンまでは日曜定休。

　飲食店舗の隣に設ける「産直市場なごみ」は１２月３日に開業する予定。売り場そばに調理室も設けており、新鮮な魚介類や農産品を販売する。観光客向けの土産物やギフト向け商品もそろえる。町内の事業所の総菜なども置き、地元内外の利用を促す。

　施設にはこの他、町民らが自由に利用できる多目的室も設置。飲食店舗や産直店のある建物とは別棟に、地元の産品を生かしたテークアウト商品の店舗を計画している。

■移動販売車や映画上映
　開業を記念したイベントとして２７日午前１０時～午後４時、漁港などで「かえるの港まつり」を開催する。地元有志でつくる団体「印南屋」主催。移動販売車が集結し、ホットドッグ、チーズケーキ、チョコレートなどを販売する。ダーツや射的などもある。

　同町印南の町体育センターではアニメ映画の上映会を開催。午前１０時からと午後２時から、チェコで制作された子ども向けの短編作品を上映する。申し込みは「かえるの港」に置いてあるチラシのＱＲコードから。