和歌山県の田辺市と白浜町の消防本部は、聴覚・言語機能障害者がスマートフォンなどから音声を使わずに１１９番通報できるサービスを始めた。市と西牟婁郡内の対象者にサービスを使うための事前登録を呼び掛けている。

　音声による意思疎通が困難な人が、救急車を呼びたい時や火事が発生した時などにスマートフォンや旧型の携帯電話を使って消防本部と音声を使わずにやりとりできるサービス。衛星利用測位システム（ＧＰＳ）機能を活用しており、通報者の位置を確定することができるため、自宅だけでなく、外出先からも緊急通報が可能。詳しい状況などはチャットで説明できる。持病やかかりつけ病院、家族の連絡先などの情報を登録しておくこともできる。登録は無料で、通信料は自己負担。

　田辺市消防本部によると、このサービスを導入するまで聴覚障害者などは、ファクスやメールで１１９番通報していた。すでに県内全ての消防本部がこのサービスを導入しており、今後、国内全ての消防本部が導入を予定しているという。

　市消防本部の冨田一之消防司令長は「登録してもらえれば、緊急時にこれまでよりもスムーズに消防とやりとりができるし、積極的に外出もできる」と話した。

　登録は、田辺市やすらぎ対策課障害福祉室、白浜町民生課、上富田町住民生活課、すさみ町住民生活課で受け付けている。

　問い合わせは、田辺西牟婁地区消防司令センター（０７３９・２２・３４０２）へ。