和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

ようやく大人の仲間入り すさみ、白浜で9カ月遅れの成人式

笑顔で記念撮影をする新成人6人(後列)=24日、和歌山県すさみ町周参見で
笑顔で記念撮影をする新成人6人(後列)=24日、和歌山県すさみ町周参見で
 和歌山県すさみ町の成人式が24日、同町周参見の町役場であった。今年は新型コロナウイルスの影響で延期が続いていたため、当初の予定から9カ月遅れの式典となった。スーツやはかま姿の新成人6人が出席し、新たな門出を祝った。白浜町も同日、オンライン方式で成人式を開いた。


 すさみ町は当初、成人式を1月に予定していたが、2度延期した。対象者は23人で、新型コロナ対策を徹底した。

 岩田勉町長は「自分の目標をしっかり定めた上で、今すべきことを決めて動いていってほしい」とあいさつ。「大きな希望を持ってこれからの人生を歩んでもらいたい。健康を第一に、何事も一つ一つの積み重ねで、頑張ってほしい」とエールを送った。

 新成人を代表し、会社員の浦晟弥さん(20)=愛知県豊田市=が家族や恩師、地域の住民らへの感謝を述べて「私たちそれぞれが成人としての自覚と責任を持ち、常に前向きに進み、社会に貢献できる大人であることを誓います」と力強く述べた。

 大学職員の浦颯太さん(20)=すさみ町周参見=は取材に「一度しか出られない成人式を開催してもらえてありがたい。友人と久しぶりに会えてうれしかった」と話した。

 すさみ町は後日、対象者全員に、応援メッセージと町の特産品の詰め合わせを郵送する予定という。

 白浜町は、事前に収録した動画を動画投稿サイトに掲載し、新成人に見てもらう形で開催した。すさみ町と同様、当初は1月に開催予定だったが、2度延期していた。

 井澗誠町長は「大きく社会が変化している時代には、若い力や柔軟な発想が重要。困難にも立ち向かう強い意志を持ち、周囲を大切にする気持ちを忘れずに未来を切り開いてほしい」と激励した。

 新成人代表で大学生の松場千紘さん(21)は、新型コロナの影響で環境が一変したことに触れつつ「人とのつながりや助け合う気持ちを大切に歩んでいく」と決意を述べた。

 新成人の恩師からのメッセージや、町内の「アドベンチャーワールド」が制作した動画も流した。町によると、対象者は224人。都合で映像を見られなかった人には、DVDを送るという。