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2024年12月19日(木)

珍しいゴシキエビ2匹捕獲 すさみの水族館に寄贈

14年ぶりにエビとカニの水族館に持ち込まれたゴシキエビ(和歌山県すさみ町江住で)
14年ぶりにエビとカニの水族館に持ち込まれたゴシキエビ(和歌山県すさみ町江住で)
 熱帯系のイセエビの仲間、ゴシキエビ2匹が和歌山県白浜町日置の沿岸で相次いで捕獲され、すさみ町のエビとカニの水族館に寄贈された。県内産が同館に持ち込まれるのは2007年以来。平井厚志館長は「全国的に数が少なく、紀伊半島では非常に珍しい。それが2匹も持ち込まれるとは」と驚いている。今月中に展示する予定。

 この2匹のゴシキエビは体長約16センチ、重さ約150グラム。1匹は片方の触角が折れていた。

 捕獲したのは、白浜町日置、漁業を営む南谷吉昭さん(44)と吉田眞次さん(67)。それぞれが同町の市江崎近くの水深10~15メートル付近に仕掛けたイセエビの刺し網(エビ網)に掛かっていた。

 ゴシキエビは東南アジアやオーストラリア北部、インド洋などの熱帯域に分布し、国内では主に薩南諸島や沖縄諸島のサンゴ礁に生息している。紀南ではまれに稚エビ(体長5センチ以内)が観察されるが、成長した個体が見つかることはほとんどない。07年にはすさみ町産が持ち込まれた。

 最大で体長30センチほどになる。体色は淡い緑色で、頭と胸には白色で縁取られた黒色の複雑な模様がある。触角が白く歩脚の紫色が特徴。