和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月20日(金)

紀の国トレイナート終幕へ 31日から2年ぶり開催

今回で最後となる「紀の国トレイナート」をPRする廣本直子実行委員長(右)ら=11日、和歌山県田辺市新屋敷町で
今回で最後となる「紀の国トレイナート」をPRする廣本直子実行委員長(右)ら=11日、和歌山県田辺市新屋敷町で
 和歌山県紀南地方のJR紀勢線を舞台にした芸術イベント「紀の国トレイナート2021」が31日~11月21日に開かれる。これまで6回の開催を重ねてきたが、2年ぶりの開催となる今年を最後に幕を閉じる予定。廣本直子実行委員長は「これまでの集大成として、協力くださった皆さんに感謝の気持ちを示せるようなイベントにしたい」と話している。

 トレイナートは、紀南でまちづくり活動をする人や芸術家らで実行委員会をつくり、2014年から開催。駅舎を壁画で彩ったり、駅を拠点に地域のアート巡りをしたりと、毎年趣向を凝らした取り組みを展開してきた。

 廣本実行委員長によると、当初から7回を一つの区切りと考えていたが、昨年は新型コロナウイルスの影響でやむなく中止とした。今年は感染対策を取った上で、最後の開催とすることにしたという。

 今回のテーマは「ぐるり紀伊半島BTK(ビジュツカン)」。紀勢線が通る紀南12市町の駅周辺18カ所にアート作品を設け、風景ごと見て楽しんでもらう。大型の立体作品や映像作品などさまざまで、線路沿いにある幅30メートルほどののり面に描く壁画もある。

 アート作品の制作には、20人(組)が参加。そのほとんどが、これまでこのイベントに関わり続けてきた作家らだという。

 期間中は、全国から公募した中から最優秀に選んだ図案を車体に描いた「デザイン列車」が連日運行。さらに、11月6日には臨時列車「紀の国トレイナート号」が御坊駅から新宮駅までを走る。車内放送で解説が流れる他、作品の展示駅では停車して鑑賞することができる。

 他に、駅を拠点にまちへ繰り出して探索する企画「ローカルダイブ」、田辺駅前広場でのジャズライブや茶会などもある。

 廣本実行委員長は「地域の人々や子どもたちにアートを身近に感じてほしいという思いから、JRの協力を得て多くの作家たちと一緒にこれまで続けてきた。今回で一つの区切りだが、紀伊半島の魅力をアートという切り口でひもとく活動はこれからも続けていきたい」と話している。

 問い合わせは実行委員会(080・5786・2652)または実行委事務局の田辺商工会議所(0739・22・5064)へ。