和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年10月19日(火)

困った時はお互いさま 市民活動で高齢者活躍

高齢者宅の風呂場を掃除する「田辺市ともしび友愛ヘルプの会」の山本美代子さん(和歌山県田辺市内で)
高齢者宅の風呂場を掃除する「田辺市ともしび友愛ヘルプの会」の山本美代子さん(和歌山県田辺市内で)
 高齢者や障害者の日々の生活を支える市民活動の場で、70代、80代の人たちが活躍している。「困った時はお互いさま」とし、支援している側の生きがいにもつながっている。


 和歌山県田辺市のボランティアグループ「田辺市ともしび友愛ヘルプの会」は、支援を必要とする人が「利用会員」、会のメンバーが「提供会員」となって、有償で高齢者や障害者の家事援助などをする「住民参加型在宅福祉サービス」をしている。介護保険など公的サービスの範囲に入らない「制度のはざま」の支援もしている。

 主な活動内容は食事作りや掃除、洗濯、買い物、庭の手入れのほか、通院の付き添いや入院中の洗濯など。利用料は年会費が2千円、家事援助などは1時間600円。

 提供会員は現在32人おり、平均年齢は74・2歳。うち70代が12人、80代が10人で、活動の中心を担っている。

 田辺市神子浜1丁目の山本美代子さん(73)は10年前から提供会員として、掃除の依頼や入院患者の洗濯などを受けている。

 6日には、股関節の手術後にかがむことが難しくなった市内の女性(80)宅を訪れ、部屋や風呂、台所、トイレなどを掃除した。女性は「夫が入院していて一人で住んでいるので、話し相手にもなってもらえてうれしい」と笑顔。

 山本さんは「私も外に出る良い機会になっている。いろんな人とつながりができていくのが楽しい」と話した。

 NPO「夢咲輝(ゆめさき)ネットワーク」(田辺市あけぼの)は、市の委託事業として、認知症患者とその家族を地域で支える「みまもり隊」、要援護者の通院を支援する「通院サポーター」の派遣事業などをしている。市の委託内容から外れる人にも、できるだけ対応している。

 みまもり隊と通院サポーターの登録者は65人で、平均年齢は63・5歳。うち60代と70代が各22人で最も多い。

 利用料は1時間600円(市の委託事業外の場合は800円)。特に通院サポートの需要が増えており、利用登録者は現在、約100人。昨年度の利用実績は累計で481・5時間で、1カ月当たり約20人、約40時間の利用があった。

 最近は通院サポートを中心に活動している田辺市上屋敷1丁目の女性(81)は「困っている時はお互いさまだし、人のために何か役に立てたらという思いから続けている」と話した。