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2024年12月19日(木)

土砂災害特別警戒区域からの移転に補助 田辺市

和歌山県ホームページの土砂災害マップ
和歌山県ホームページの土砂災害マップ
 災害で甚大な被害の出る恐れがある「土砂災害特別警戒区域」から住民が自宅を移転する場合、旧宅の解体や新居建設を補助する制度を和歌山県田辺市が始めた。対象区域は山間部だけでなく、市街地にも広がっている。市は「まずは自宅の危険度を確認してほしい」と呼び掛けている。


 土砂災害特別警戒区域は、地形から災害が想定される「土砂災害警戒区域」のうち、建物や人命に特に大きな被害が出る可能性があるとして知事が指定する。田辺市は県内最多の3272カ所ある。

 制度は特別警戒区域内に住宅があり、市内で移転する人が対象。住宅の取り壊し費用の一部として最大97万5千円を補助する。また、土地購入費を含む移転先での住宅建設費で、金融機関から借り入れる場合の金利についても最大421万円を助成する。

 土砂災害は全国で年間平均約1100件発生している。人的被害が多く、自然災害の犠牲者の約4割を占める。しかも、内閣府の調査によると84・6%が屋内で犠牲になっている。2011年の紀伊半島大水害でも、多くの被害が出た。

 土砂災害警戒区域、特別警戒区域は県ホームページの土砂災害マップで確認できる。市町村別に一覧表を表示できるほか、地図や住所から検索することもできる。

 市建築課は「土砂災害は最も身近な災害の一つ。自分は大丈夫と思いがちだが、高低差のある土地は要注意。気軽に相談してもらいたい」と呼び掛けている。

 補助制度の問い合わせは市建築課建築係(0739・26・9935)へ。