和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

小学生女将からアイデア続々 白浜町椿の旅館、今秋にもプラン販売

記念写真の撮影時に「女将らしいポーズを」と要求され、正座して「いらっしゃいませ」と声を合わせる子どもら=和歌山県白浜町椿で
記念写真の撮影時に「女将らしいポーズを」と要求され、正座して「いらっしゃいませ」と声を合わせる子どもら=和歌山県白浜町椿で
 和歌山県白浜町椿の旅館「しらさぎ」で6、7日、女子小学生が旅行プランを考える催しがあった。参加した児童からは次々とアイデアが出て、食事にゲームの要素を取り入れる方針がまとまった。旅館は「大人も子どもも楽しめるプラン」をまとめ、今秋にも実際に販売を始める。

 椿温泉の文化である湯治を守り、広げるきっかけにしたいという企画で、2~5年生の5人が参加した。

 しらさぎの女将・熊野幸代さん(48)から湯治や女将の仕事について説明を受けた後、児童は、どういう旅行なら楽しいか、どんな料理が出てきたらうれしいかを考えた。

 浴衣を着て〝小学生女将〟となった児童は「おにぎりの中に何かを入れて『当たり』を作るのはどうか」「逆に、一つだけにすっぱい梅干しを入れるのはどうだろう」「食べ終わった後のお楽しみとして、くじ引きができると面白い」などと次々に提案した。

 参加した南白浜小学校3年の濵本菖蒲さんは「女将の仕事は思っていたよりたくさんあって大変だと思った。皆でプランを考えるのは学校の勉強とは違う楽しさがある」と話し、東京都大田区から参加した4年生の池田有彩さんは「お客さんがまた来たいと思ってくれるようなプランができればいい」と語った。

 熊野さんは「5人は初対面なのに一気に打ち解けて、抑えるのが大変なくらいに意見を出してくれた」と笑いつつ「想像とは違うアイデアだった。きっとプラン作りに生きる」と満足そうだった。しらさぎは、この催しに参加した5人を旅館の「サポート女将」に認定した。