和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月16日(土)

高校生が英語ガイドマップ 田辺駅周辺、動画の視聴も

JR紀伊田辺駅の御堂直樹駅長(右)にガイドマップを手渡す谷口琴音さん=和歌山県田辺市湊で
JR紀伊田辺駅の御堂直樹駅長(右)にガイドマップを手渡す谷口琴音さん=和歌山県田辺市湊で
 田辺高校(和歌山県田辺市学園)の生徒でつくる国際交流委員会「SEEKER(シーカー)」有志が、JR紀伊田辺駅(田辺市湊)周辺の英語ガイドマップを作った。マップに掲載されているQRコードを読み込むと、生徒が制作した案内動画を視聴することができる。田辺駅などで手に入る。制作した生徒は「コロナの収束後、田辺を訪れる外国人観光客に手に取ってもらいたい」と話している。

 ガイドマップの名称は「T―MAP」。カラー印刷でA4サイズ二つ折り。内側の見開きで地図を大きく掲載している。デザインやイラストも生徒が手掛けた。

 掲載しているQRコードをスマートフォンなどで読み込むと、田辺駅から徒歩圏内にある菓子店の「鈴屋」と「菓匠二宮」、パン店「焼きたてぱんD’oh!」、闘雞神社、南方熊楠顕彰館の5施設について生徒が制作した動画を視聴することができる。裏表紙には田辺市やシーカーについての説明文を付けている。

 マップ作りは、「田辺を訪れる外国人観光客に向けて高校生らしい視点で、分かりやすくシンプルなガイドマップを作ろう」とシーカーに所属する生徒有志が2019年秋に企画をスタートさせた。しかしその後、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大。学校も長期休校になるなど、活動をなかなか進められなかった。海外から田辺を訪れる外国人客も激減した。

 本格的に取り組み始めたのは昨夏で、シーカーに所属する有志が掲載する施設などに取材をしてまとめた。動画では生徒が出演して英語で施設や商品を紹介している。初めて田辺を訪れる外国人観光客の目線で、情報量をできるだけ少なくして簡潔な内容にすることを心掛けたという。

 メンバーの一人、3年の谷口琴音さんが28日、JR紀伊田辺駅を訪れ、ガイドマップ50部を御堂直樹駅長に手渡してコンセプトなどを説明。駅構内に置いてもらえるように依頼した。御堂駅長は「マップを受け取る側の視点を大切にしていて、それはわが社のおもてなしの理念とも通じる。ぜひ協力したい」と応じた。

 谷口さんは「マップ作りを通して自分たちも田辺の魅力を知ることができた。シーカーの活動を知ってもらう機会にもなれば」と話している。

 マップは初版500部を作った。田辺駅のほか、動画で紹介した5施設などで手に入れることができる。