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2021年12月07日(火)

コロナ影響し売上高9割減 田辺市熊野ツーリズムビューロー

田辺市熊野ツーリズムビューロー旅行業務取り扱い状況
田辺市熊野ツーリズムビューロー旅行業務取り扱い状況
 和歌山県の田辺市熊野ツーリズムビューローは24日、2020年度の旅行事業売上高が7146万円だったと公表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、前年度比4億5千万円(86・3%)の大幅な減少となった。21年度は感染状況を見極めながら国内需要を呼び起こし、収束後を見据えた国内外からの誘客にも積極的に取り組んでいくという。


 全体の売上高のうち、海外客は前年度比4億5千万円減の926万円。一方で国内客は新型コロナ対策の観光キャンペーンなどの効果もあり、74万円増の6221万円だった。

 取り扱い人数は世界19カ国3149人で、前年度の世界72カ国1万4623人から大幅に減少。国内客は2646人、海外客は503人で、海外客のうち6割以上が国内在住者だった。

 ビューローは06年、市内にある五つの観光協会で構成する団体として設立した。10年からは現地発の旅行商品を企画販売する「着地型旅行業」に取り組み、欧米豪をターゲットにしたプロモーションを展開。世界遺産「熊野古道」に多くのインバウンド(訪日外国人客)を呼び込んできた。

 11年度に4001万円だった旅行事業売上高は年々増加し、19年度は過去最高の5億2181万円となっていた。

 コロナ禍に見舞われ、インバウンドがほとんどなくなった20年度は、国内需要の掘り起こしに力を入れた。市が新型コロナ対策として実施した観光キャンペーンを受託。土地の歴史や文化に触れながら山を歩く「低山トラベラー」を対象にしたツアーなど、新たな旅行商品の開発にも取り組んでいる。

 また、世界遺産「熊野古道」と巡礼の風景を守ろうと、クラウドファンディング(CF)で寄付金を募ったところ、世界10カ国から300万円超が集まった。

 多田稔子会長は「いまは苦しい時期だが、インバウンドの回復を待ちながら国内市場のさらなる開拓に取り組みたい。熊野の森をフィールドにした教育旅行の誘致など、ビューローらしい新たな旅行商品をアピールしていきたい」と話している。