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2024年12月20日(金)

「春の運動会」広まる 熱中症対策、コロナ禍も影響

接触のある組み体操に替えて導入したダンスを練習する児童(田辺市芳養松原2丁目の芳養小学校で)
接触のある組み体操に替えて導入したダンスを練習する児童(田辺市芳養松原2丁目の芳養小学校で)
 紀南の小中学校で「春の運動会」が広まっている。熱中症対策などで、開催を秋から春に移行する学校が増えた。新型コロナウイルスの感染拡大による行事の日程調整も影響している。


 白浜町の日置小では2015年度から、運動会を春に開催している。残暑による熱中症対策などを考え、以前から検討していたが、この年に国体が県内で開催され、秋に運動場が使用できなくなったのを機に移行した。

 同じく15年度から移行した白浜第二小では、開催後の保護者アンケートで春開催を支持する声が多く、以降定着している。

 田辺市では本年度、小中7校が春開催に移行した。新型コロナの影響で、1学期にあった修学旅行を2学期に変更したため、日程調整の必要が出てきたという。大塔中学校は「県内でも春開催は広まっており、以前から検討課題だった。コロナはきっかけ」と話す。

 春開催の学校によると、秋は陸上競技大会や文化祭など行事が連続するため、分散することで学業に集中でき、2学期をゆったりスタートできる利点があるという。

 一方で、導入していない学校では「小学校では入学したての1年生が、上級生と活動するのは大変」「中学校でも一体感をつくるには期間が短い」という声もある。

 運動会は新型コロナ感染防止のため、半日開催に短縮したり、保護者以外の来場を制限したりするなど対策を取っている。種目も接触を避けるため組み体操をダンスに変更したり、保護者参加の競技をなくしたりしている学校もある。