和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月15日(金)

【動画】コロナ禍からの再生願い男舞奉納、花火も 熊野本宮大社例大祭

コロナ禍の収束を願い、男舞を奉納する九鬼家隆宮司(15日、和歌山県田辺市本宮町で)
コロナ禍の収束を願い、男舞を奉納する九鬼家隆宮司(15日、和歌山県田辺市本宮町で)
コロナ禍の収束を願い、打ち上げられた花火。田んぼの水面にはライトアップされた大鳥居や花火が映り込んだ(14日午後8時すぎ、和歌山県田辺市本宮町で)=露出時間15秒
コロナ禍の収束を願い、打ち上げられた花火。田んぼの水面にはライトアップされた大鳥居や花火が映り込んだ(14日午後8時すぎ、和歌山県田辺市本宮町で)=露出時間15秒
 和歌山県田辺市本宮町の世界遺産・熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で15日午前、年に一度の最も重要な祭典「本殿祭」が営まれ、コロナ禍からの再生などを願い、九鬼宮司(64)が神楽「熊野」の男舞を特別に奉納した。

 例大祭「本宮祭」はコロナ禍の影響で規模を縮小しながら、13日の「湯登(ゆのぼり)神事」を皮切りにスタート。最終日の本殿祭も人数を制限し、主に紀南地方から約100人が参列して営んだ。

 九鬼宮司が祝詞を奏上するなどした後、本殿前に設けられた舞台で男舞を力強く披露。「コロナ禍の状況は今なお厳しいが、熊野は蘇(よみがえ)り、再生の場所。後ろばかり向いていては駄目。前を向き、一歩でも半歩でも進むことが大事」などと訴えた。

 午後からは渡御祭があり、コロナ禍の影響で大勢が密集するみこしは自粛し、代わりに神職が御神霊を納めた「唐櫃(からひつ)」を担ぐなどして旧社地・大斎原(おおゆのはら)へ向かった。

 大斎原では例年、主に地元の中学1年生が「大和舞」と「八咫烏(やたがらす)舞」を奉納しているが、今年は稽古を重ねていた地元の青年たちが代役を果たした。

■河原で3分間の花火

 熊野本宮大社の例大祭に合わせ、14日夜、コロナ禍の収束などを願う花火が熊野川の河原から打ち上げられた。花火は約3分間、ライトアップされた大斎原にある大鳥居そばで輝いた。

 「コロナ禍に負けるな」との思いを込めて各地で花火の打ち上げをしている田辺市のイベント企画団体「Recvation(レクベーション)」と、大阪府八尾市のキックボクシングジム「心将塾」が、地元の「宝月自動車」(田辺市)と「あかみ屋」(同)の協賛で開催した。

 花火には、新宮市にある児童養護施設「紀南学園」の子どもらを招待。奥熊野太鼓の演奏などもあった。

 大鳥居の前の田んぼの一部には水が張られており、ライトアップされた日本一の大きさを誇る大鳥居(高さ33・9メートル、幅42メートル)や夜空で輝く花火が映り込み、幻想的な風景となった。



 花火の動画はニュースサイト「アガラ」で見ることができます。