和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月22日(金)

「消滅可能性から最先端へ」 すさみ町と県がスーパーシティ構想

会合で、連携事業者への感謝を語る岩田勉すさみ町長(左)。右は調整役を務める岡田信一郎・南紀白浜エアポート社長=すさみ町役場で
会合で、連携事業者への感謝を語る岩田勉すさみ町長(左)。右は調整役を務める岡田信一郎・南紀白浜エアポート社長=すさみ町役場で
 すさみ町と県は、町を対象地域とする「スーパーシティ(SC)構想」の計画案をまとめた。住民の温かさや自然を先端技術と結んで観光資源にし、暮らすように過ごせる時間を来訪者に提供しながら、住民の暮らしの質も高めるという内容。16日までに内閣府へ応募する。

 案では、観光▽移動▽物流▽医療▽教育▽防災▽低炭素―の7分野で規制を緩和したり、先端技術を導入したりするとしている。具体的な取り組みとして、自動運転のバス走行や、ドローンによる特産品の配送、端末を用いた心身の状態の可視化、顔認証による災害時の避難者情報の確認などを挙げた。

 人口減少や高齢化が進む町の現状に触れて「消滅可能性都市を最先端の町に」とうたっているほか、最先端の制度や技術を南紀熊野地方にも展開していくとした。

 SCは国家戦略特区の一つ。全国で約30の自治体が応募に向けて動いている。政府は5月以降、閣議で5地域程度をSCに選ぶ。公募を締め切った後、各自治体へのヒアリングを始める。

 町と県は2月以降、公募で選んだ企業36社と計画案を検討してきた。13日には応募前で最後となる会合(オンラインでの参加を含む)があり、町役場から参加した岩田勉町長は「事業者に感謝したい。とてつもない可能性があるように思えてきた。思いが国に届くよう、一緒に頑張りたい」と話した。