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串本特産の「姫ひじき」が激減 海水温の上昇が影響?

来季に向け、ヒジキを食べる小さなウニなどを駆除する組合員(26日、和歌山県串本町姫で)
来季に向け、ヒジキを食べる小さなウニなどを駆除する組合員(26日、和歌山県串本町姫で)
 和歌山県串本町姫の特産品「姫ひじき」の水揚げ漁が激減している。多い年で約6トン(乾燥状態)、近年は約4トンを収穫していたが、昨年は約2・6トンと減少し、今季は680キロとさらに少なかった。来季に向けて海岸を清掃した和歌山東漁協西向支所姫ひじき採捕組合の山田隆一組合長(77)は「こんなに少ないのは初めて。自然が相手なので来季も予想はつかないが、何とかおいしい姫ひじきを皆さんに食べてもらえるようにしたい」と話している。


 太くてやわらかく、粘りがある「姫ひじき」は、東京など遠方からも毎年注文が入る人気商品。町内のスーパーマーケットや道の駅などでも販売されている。

 姫の海岸では、4月9日に今季のヒジキ漁が解禁されたが、生えている場所が少なく、収穫したヒジキの長さは例年の半分ほどの40~50センチと短かった。 

 山田組合長は「年々水揚げ量は減っていたが、ここまで減るとは思わなかった。地球温暖化による海水温の上昇で、周辺のどこでも水揚げ量が減っていると聞いている。すでに各地から多数のヒジキの注文が入っているが、断るのに難儀している」と話した。

 来季のヒジキの成長を促そうと同組合は5月23~26日の4日間、姫ひじきを加工している姫ひじき生産組合(堀喜代子組合長)と一緒に、姫の海岸を清掃した。干潮の時間に合わせて両組合の組合員約20人が、岩場に張り付いたヒジキを餌にしている直径3センチほどのウニやフジツボ、藻などを鋼の道具を使って駆除した。

 堀組合長は「来年は少しでもヒジキが増えるようにと頑張った。約50年ヒジキ漁をしているが、今年は考えられないくらい少なかった」と話した。

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