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カツオの水揚げ激減 紀南の主要3漁港、昨年の好調一転

見老津漁港で水揚げされたカツオ。この日は約90キロしか取れず、関係者は「例年より全然少ない」と嘆いていた(和歌山県すさみ町見老津で)
見老津漁港で水揚げされたカツオ。この日は約90キロしか取れず、関係者は「例年より全然少ない」と嘆いていた(和歌山県すさみ町見老津で)
 和歌山県紀南地方の主要3漁港(田辺、すさみ、串本)で、今シーズンのカツオが不漁となっている。引き縄による「ケンケン漁」は3~5月に最盛期を迎えるが、今年の漁獲量は3、4月の3港を合わせて約3・8トン。比較的好調だった昨年同時期の約163・6トンから激減した。

 県水産試験場(串本町)によると、漁港別の3、4月の水揚げは「すさみ」で約0・5トン、「串本」で約3・3トン。「田辺」では約0・05トンとわずかだった。5月に入ってからも、例年に比べると少ない状況が続いているという。

 過去の年間漁獲量は、詳しい集計を取っている1993年以降、2000年の1957トンがピークだった。07年には405トン、11年には294トンに減少。14年以降は特に不漁が続き、18年には過去最低となる139トンを記録。だが、19年は372トンと好調だった。

 試験場によると、不漁の要因とみられるのが、日本列島に沿って流れる黒潮の大蛇行。これによりカツオの漁場が南に離れていたが、昨年は黒潮由来の暖かい潮が反時計回りに熊野灘沖に流れ込む「黒潮内側反流」の影響で、カツオ漁が好調だったと考えられるという。

 山根弘士主査研究員(35)は「今年は黒潮内側反流が弱く、水揚げが非常に少ない状況が続いている。今後、沿岸域の海水温が上がってくればカツオが移動してくることも考えられる。例年なら春先に取れる小型のカツオも取れ始めたので、ここから増えてくることを祈りたい」と話している。

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