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26機関から130人参加 机上で災害医療訓練

各機関の状況や情報をまとめる「災害医療コーディネーターチーム」(19日、和歌山県田辺市たきない町で)
各機関の状況や情報をまとめる「災害医療コーディネーターチーム」(19日、和歌山県田辺市たきない町で)
 南海トラフ地震などの大規模災害に備え、和歌山県の田辺地方医療対策協議会は19日、田辺市たきない町の南和歌山医療センターで田辺地域災害医療訓練をした。田辺・西牟婁とみなべ町の医療、消防、行政関係など26機関から計約130人が参加し、机上訓練で医療対応に関わる連携を強めた。

 2012年度から毎年続け8回目。南海トラフや東海・東南海・南海3連動など大規模地震を想定した机上情報伝達訓練だが、今回は初めて、住民の生命や安全の確保が中心となる発生3日目を想定。従来の医療対応訓練に加え、避難所で発生する課題への対応や救護所設営時の情報連携に取り組んだ。ひだか病院(御坊市)の災害派遣医療チーム(DMAT)も参加した。

 5市町や医療機関、医師会、薬剤師会、消防などがそれぞれ災害対策本部のほか、医療機関の状況や各機関からの情報をまとめる「災害医療コーディネーターチーム」を設けた。

 各対策本部には避難所から、「車中泊していた高齢者が胸の痛みを訴えている」などの病気やけがの処置などを求める連絡が入り、職員が対応。田辺市では医師や薬剤師、保健師、市職員で救護所を開設し、要望を受け付けた。

 災害医療コーディネーターチームでは、医療機関の情報を共有する「広域災害救助医療情報システム(EMIS)」を利用するなどして各病院の状況を確認。「紀南病院の救急外来が受け入れできない恐れあり」との情報が入り、急いで確認したり、他に受け入れ可能の病院がないかを探したりするなどした。

 訓練修了後、主な機関が報告。医療関係は「マンパワー不足もあり、重症患者をどうするかが課題」「妊婦や透析患者の判断が難しい」、行政関係は「高齢者が多く慢性疾患が心配。不眠についてどこに依頼したらよいか迷った」、医薬品業者は「普段、取り扱いのない医薬品をどうするかが問題。業者間で在庫確認する必要もある」などと課題を出し合った。県立医科大学の加藤正哉教授は「以前の訓練と比べる修正ができていて、バランス良かった。しかし、うまくいっていても、次にうまくいかない場合がある。担当者が替わることもあり、繰り返し続ける必要がある」と話した。

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