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井戸水をくみ上げ運搬 水害想定し住民が訓練

訓練で井戸からホースでタンクに水をためる住民ら(和歌山県白浜町十九渕で)
訓練で井戸からホースでタンクに水をためる住民ら(和歌山県白浜町十九渕で)
 和歌山県白浜町十九渕区(深見英雄区長、96世帯248人)の自主防災会は8日、水害を想定した避難訓練と断水に備えた水の搬送訓練をした。住民45世帯71人が参加した。

 訓練は、記録的な大雨により、区内の富田川と高瀬川が氾濫し浸水したと想定した。住民は区内放送を合図に火の元や戸締まりなどを確認して避難を開始。近所の人に声掛けしながら富田小学校体育館に向かった。消防車やパトカーが地域を巡回しながら避難の様子を見守った。

 避難訓練の前、区内にある「富田の水」第2井戸で井戸水をくみ上げた。この井戸は災害時に水を提供する協定を町と結んでいる会社「南紀白浜富田の水」が所有している。担当の住民と同社の加藤敏人専務らが井戸ぶたの鍵を開け、太い専用のホースでトラックの荷台に積んだタンクに水をくみ、富田小学校を目指した。

 体育館では、町危機管理室の孫入正行さんから「大雨による水害に備える」と題した講話があった。この後、阪神大震災、熊本地震などの被災地でボランティア経験のあるすさみ町出身のマジシャン、花吹雪紫音さんのマジックショーもあった。

 深見区長(68)は「災害時に一人も犠牲者を出さないように定期的に訓練をしているが、次第に参加者が減ってくる。今回は住民が一堂に集まりつながりを深められるよう、マジックショーを取り入れ、楽しみながら防災について学べるよう工夫した。内容を工夫しながら参加者を増やしていきたい」と話した。

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