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辺り照らす中秋の名月 和歌山県田辺市本宮町では観月会

七越峯から姿を現した中秋の名月(17日午後6時40分、和歌山県田辺市本宮町で)
七越峯から姿を現した中秋の名月(17日午後6時40分、和歌山県田辺市本宮町で)
 旧暦の8月15日に当たる17日夜、おおむね好天に恵まれた和歌山県紀南地方では「中秋の名月」が各地を照らした。田辺市本宮町では世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」登録20周年を記念し、本宮町にゆかりのある和歌にちなんだ観月会もあった。

 本宮町では、国際熊野学会が、歌僧の西行(1118~90)が本宮を訪れた際に詠んだとされる和歌「立ちのぼる月のあたりに雲消えて光重ぬるなゝこしの峯」にちなんだ催しを開いた。

 関係者ら約40人が参加し、熊野川沿いの堤防から月の出を待った。午後6時40分ごろ、七越峯から月が姿を現すと歓声が上がった。国際熊野学会事務局長の松本純一さん(77)=本宮町=は「初めての開催だったが、西行学会の役員の方々にも参加していただき、大変盛り上がった。皆さんに『西行法師の和歌の通りのような観月会で感激した』『ぜひ来年以降も』と喜んでいただいた」と話していた。

 中秋の名月をめでる習慣は、平安時代に中国から伝わったといわれている。今年は17日が中秋の名月で、18日が満月と日付が1日ずれている。

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