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金色のホタテ貝贈呈 本宮大社が共通巡礼達成者に、和歌山県田辺市

熊野本宮大社が共通巡礼達成者に贈っている金色のホタテ貝を受け取って喜ぶ外国人(左)=和歌山県田辺市本宮町で
熊野本宮大社が共通巡礼達成者に贈っている金色のホタテ貝を受け取って喜ぶ外国人(左)=和歌山県田辺市本宮町で
 和歌山県田辺市本宮町の熊野本宮大社が世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」登録20周年を記念し、熊野古道とサンティアゴ巡礼道を歩いた共通巡礼の達成者に、金色に輝くホタテの貝殻を贈っている。名古屋市の会社から奉納されたもので、サンティアゴ巡礼のシンボルであるホタテ貝を金色に塗装し、中央に熊野の神の使い「八咫烏(やたがらす)」を描くなどした記念品。受け取った人たちは「特別なものをもらえてうれしい」と喜んでいる。


 「共通巡礼」は、ともに世界遺産の巡礼道を有する田辺市とスペイン・ガリシア州にあるサンティアゴ・デ・コンポステーラ市との共同事業。2015年から共通巡礼手帳を発行して条件を達成した人を登録しており、今年5月末現在で共通巡礼達成者は6703人に上っている。

 金色のホタテ貝は、青山裕一さん(63)=愛知県豊明市=が経営する工業塗装の会社「ヤスイペイント工芸所」(名古屋市)が、共通巡礼の達成者にプレゼントしてほしいと本宮大社に2千個奉納した。

 青山さんは5年ほど前から本宮町の湯の峰温泉で湯治をするようになったことがきっかけで、熊野古道を頻繁に歩くようになった。外国人観光客が目立つ中で日本人にももっと目を向けてほしいという願いから、本物のホタテ貝の白い貝殻を使い、八咫烏の模様などを描いてひもをつけたものを「OFUDA(おふだ)」と名付け、今春から販売。製造工程の一部には、本宮町内の福祉事業所にも協力してもらっているという。

 金色のホタテ貝の大きさは11センチほどで「永遠に輝く金は、熊野本宮のよみがえりや再生にも通じる」との思いで制作した。贈呈は世界遺産登録20周年の節目である7月7日以降に共通巡礼の達成者として登録された人が対象。本宮大社に証明書を持参し、大太鼓をたたくセレモニーを執り行った人に贈っている。

 青山さんは「世界が平和であってこそ熊野古道もサンティアゴ巡礼道も歩くことができる。未来永劫(えいごう)に平和であってほしいという願いを込めて奉納した」、九鬼家隆宮司(68)は「サンティアゴ巡礼のホタテ貝と熊野の八咫烏が見事にマッチした記念品。これを機に熊野とサンティアゴのつながりがより強くなればうれしい」と話している。

 問い合わせは熊野本宮大社(0735・42・0009)へ。

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