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滝尻茶屋 新たな出発 「和」でおもてなし、和歌山県田辺市中辺路町

運営者が新しくなった滝尻茶屋で、和服姿で接客をしている大村奈未さん(和歌山県田辺市中辺路町で)
運営者が新しくなった滝尻茶屋で、和服姿で接客をしている大村奈未さん(和歌山県田辺市中辺路町で)
 和歌山県田辺市中辺路町栗栖川、熊野古道・滝尻王子の前にある滝尻茶屋が、抹茶ラテなどが楽しめる和風のカフェ「滝尻茶屋むすひ」として新たに出発した。中辺路町近露にある「産巣日(むすひ)武道場」を管理・運営する会社代表の大村奈未さん(41)が和服でおもてなし。「海外の方が日本の文化を味わえ、日本の方には良さを再認識していただけるような場所にしたい」と意気込んでいる。

 滝尻茶屋は、市町村合併前の旧中辺路町が古道歩きの人のための施設として整備し、特産品の販売などに利用されてきた。2011年9月の紀伊半島大水害で被災して無人の休憩施設になり、18年に地域おこし協力隊の女性が復活させたが、昨年春ごろから家庭の事情もあって運営できなくなっていた。

 新たに運営することになった会社は、武道や茶道、書道といった日本文化の体験事業などに取り組む「むすひ」。市から管理業務を委託されている中辺路町観光協会が滝尻茶屋の運営を希望する会員を募集し、同社に決まった。

 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」登録20周年の節目の年に新たなスタートを切った「滝尻茶屋むすひ」は、4月末にオープン。茶道の経験がある大村さんがその場で作る「抹茶ラテ」(税込み500円)や地元の女性とコラボした「おいなりさん」(350円)などが好評という。

 大村さんは「滝尻王子の雰囲気が好き。一期一会のご縁を大切にし、熊野古道を歩いて良かったと思っていただける場所にしたい」と話す。観光協会の宮井章会長(57)は「滝尻は熊野三山の霊域の入り口とされ、一つの大きな拠点。活性化につながると期待しており、和風のコンセプトもこの場所に合っている」とエールを送っている。

 営業は日曜~水曜の午前8時半~午後3時ごろ。問い合わせは「むすひ」(080・3770・1473)へ。

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