古道を歩き考える 熊野の景観保全「応援団」 和歌山
和歌山県田辺市の関係人口講座「熊野リボーンプロジェクト」の第5期が始まった。地域外から熊野の景観保全に取り組む〝応援団〟。実際に熊野古道を歩いて、里山をどう活用するか、自身がどう関わるかを模索している。
熊野の文化的景観を形成する里山の営みが、過疎、高齢化などで危機を迎えている。リボーンプロジェクトは、地域の暮らしと関わりながら歩く低山トラベラーを対象に2020年度に創設。低山トラベル提唱者の大内征さんや、登山アプリを運営するヤマップ(本社・福岡市)が協力している。
第5期は関東から九州までの都市部で働く9人が受講。このほど田辺市内でフィールドワークがあり、熊野古道中辺路を滝尻王子から高原まで歩いたり、本宮町で稲作を体験したりした。古道歩きでは真砂充敏市長が案内役を務めた。
東京都の会社員、前橋早紀さん(34)は「数年前から山歩きを始め、古道に興味を持っていた。遠くてなかなか来られなかったが、企画を知って『古道に呼ばれた』と感じた。熊野は生と死の境というが、歩くことで生を実感した」と話す。
「まずは家族や友人に体験を伝え、熊野に誘いたい。現地の人と関係ができれば何度も足を運びたくなる。AI開発の仕事をしていて、普段山とのつながりはないけれど、市の森林保全の取り組みにも興味がある。何らかの形で携われれば」と思案を巡らせた。
田辺市出身で横浜市在住の建設業、吉本正和さん(43)は「山は好き。地元への興味が増してきたタイミングで企画があり、飛びついた。古道をきちんと歩いたのは初めてで、想像よりしんどい道だった。人工林だけかと思ったら、自然林も交ざっているなど、さまざまな発見があった。Uターンは考えていないが、遠方からでもできることを考えたい」と話した。
5期生は今後オンラインでの学習会などを経て、8月下旬にそれぞれのプロジェクトについて発表する。
熊野の文化的景観を形成する里山の営みが、過疎、高齢化などで危機を迎えている。リボーンプロジェクトは、地域の暮らしと関わりながら歩く低山トラベラーを対象に2020年度に創設。低山トラベル提唱者の大内征さんや、登山アプリを運営するヤマップ(本社・福岡市)が協力している。
第5期は関東から九州までの都市部で働く9人が受講。このほど田辺市内でフィールドワークがあり、熊野古道中辺路を滝尻王子から高原まで歩いたり、本宮町で稲作を体験したりした。古道歩きでは真砂充敏市長が案内役を務めた。
東京都の会社員、前橋早紀さん(34)は「数年前から山歩きを始め、古道に興味を持っていた。遠くてなかなか来られなかったが、企画を知って『古道に呼ばれた』と感じた。熊野は生と死の境というが、歩くことで生を実感した」と話す。
「まずは家族や友人に体験を伝え、熊野に誘いたい。現地の人と関係ができれば何度も足を運びたくなる。AI開発の仕事をしていて、普段山とのつながりはないけれど、市の森林保全の取り組みにも興味がある。何らかの形で携われれば」と思案を巡らせた。
田辺市出身で横浜市在住の建設業、吉本正和さん(43)は「山は好き。地元への興味が増してきたタイミングで企画があり、飛びついた。古道をきちんと歩いたのは初めてで、想像よりしんどい道だった。人工林だけかと思ったら、自然林も交ざっているなど、さまざまな発見があった。Uターンは考えていないが、遠方からでもできることを考えたい」と話した。
5期生は今後オンラインでの学習会などを経て、8月下旬にそれぞれのプロジェクトについて発表する。