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【動画】未来への希望記す 熊野本宮大社、和歌山県田辺市

 和歌山県田辺市本宮町にある熊野本宮大社の旧社地・大斎原(おおゆのはら)では7日、「未来への七夕メッセージ 大斎原から、希望の光を世界へ」があった。「地域全体が『光』輝くように」という願いを込め、九鬼家隆宮司(67)と和歌山・広島両県にある二つの「熊野高校」の生徒が書を披露した。

 本宮大社や熊野本宮観光協会、本宮町商工会などでつくる「熊野本宮未来創造実行委員会」の主催。県と田辺市、上富田町が後援した。

 奉納奉告祭を執り行った後、「未来への墨痕」と題して、九鬼宮司が縦2・7メートル、横3・6メートルの布の中央に「光」という一文字を揮毫(きごう)。それに応える形で、広島県立熊野高校3年の西本茉鈴さん(17)が右側に「舞 翼を広げて」、和歌山県立熊野高校2年の和田千明さん(16)が左側に「大地 自然 感謝」と、それぞれ勢いのある筆遣いで記した。

 西本さんは「翼を広げて舞うように未来につないでいきたいという思い」、和田さんは「自然の中で生き、生かされているという感謝の思いを込めた」と笑顔を見せた。

 九鬼宮司は「次世代を担う子どもたちが素晴らしいメッセージを添えてくれた」と感謝していた。

 この書は社務所のそばに掲げるという。

 イベントではこのほか、新宮市出身の芥川賞作家、中上健次の長女である作家・中上紀さんが講演。中上健次と熊野にまつわるエピソードを紹介した上で「熊野は中上健次にとって世界遺産になるずっと前から特別な聖地、大切な自然と人間の魂が交わる場所だった。生涯守っていきたかった、守ろうとした遺産だった」と述べた。

 最後に「熊野の未来を語る」として、九鬼宮司や中上さんのほか、真砂充敏田辺市長や奥田誠上富田町長、熊野高校(和歌山県)や本宮中学校の生徒ら計10人によるトークセッションで締めくくった。参加者は「この地で生まれ、育っていくことを誇りに思っている」「世界から認められたエリアを次の世代にきちんと伝えていく責任をあらためて感じている」などと話していた。
「未来への七夕メッセージ」と題した記念イベントで、願いを込めて書を記した九鬼家隆宮司や高校生(7日、和歌山県田辺市本宮町で)
「未来への七夕メッセージ」と題した記念イベントで、願いを込めて書を記した九鬼家隆宮司や高校生(7日、和歌山県田辺市本宮町で)
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