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高校生がビジネス案 地域課題に挑戦、神島塾3期、和歌山

講師と共に「新しい農業の形」について意見を出し合う神島塾の塾生ら(和歌山県田辺市の神島高校で)
講師と共に「新しい農業の形」について意見を出し合う神島塾の塾生ら(和歌山県田辺市の神島高校で)
 神島高校(和歌山県田辺市文里2丁目)で地域について考える集中講座「神島塾」の第3期が17日、開講した。8月まで全6回の講座を通じ、受講生が地域の小さな困り事を解決するビジネス案を作る。

 神島塾は、学年や学科を超えて参加できる課外活動。第3期は1~3年生の20人が受講している。地域の若手起業家らから、仕事のやりがいや課題について講義を聴き、課題解決のため高校生として何ができるかを一緒に考える。

 第1回の講師は農業会社「日向屋」(田辺市上芳養)代表の岡本和宜さん(45)と林業会社「中川」(同市文里2丁目)創業者の中川雅也さん(41)。

 岡本さんは「従来の農業でなく、自分のやりたい形に変えた。農業はジビエや観光など異なる分野と組み合わせられる。ジビエ施設の誘致などで獣害は80%減少。耕作放棄地の再生も進んだ。多くの人がイベント目的で上芳養に来てくれる」と農業による地域活性化について紹介した。

 中川さんは「子どもと遊ぶ時間をつくれる仕事として林業を選んだ。相手が自然だから好きな時間に働ける。単純に稼ぎたいなら都会だが、自由に暮らしたい人に興味を持ってもらえる働き方にした。取り組みは広がり、現在9県の7社で元従業員が活躍している」と働き方改革を説明した。

 講義の後は四つの班に分かれ、「新しい農業の形」「地域での働き方と暮らし方」をテーマに話し合った。

 農業では「スポーツジムのように農作業を体づくりに生かす。年2回、運んだミカン箱の数を競うなど競技大会も開く」、「収穫しない農業」として「収穫作業を『客』に任せ、農地の近くに設けたキッチンでそのまま調理まで楽しんでもらう」といった提案があった。

 2年の田上瑛大さんは「関係ないと思っていた農林業がグッと身近になった。まだ知らないことだらけで、地元でいろいろ面白いことができそう」、同じく2年の鳥渕心晴さんは「自分のやりたいことに取り組んでいるのが印象的で、私もそうありたい。地域に貢献できるビジネスを考えたい」と話した。
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