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被災時の支援受け入れ計画 和歌山県内の自治体、策定続々

「受援計画」図解
「受援計画」図解
 能登半島地震では全国から人的、物的支援が集まる中、受け入れ自治体の「受援」体制が注目された。和歌山県はモデルを示して、市町村に「受援計画」の策定を求めており、昨年末までに17市町村が策定した。残る自治体も策定を進めている。

 人口減少や市町村合併で自治体職員が減少する中、相互支援の重要性が増している。ただ、支援が機能するかは「支援する側」のノウハウだけでなく、「受け入れ側」の備えも左右する。

 受援計画は、大規模災害で被災した場合に外部からの人的、物的応援を円滑に受け入れるための体制や手順を定める。

 田辺市は2022年3月に策定した。災害対策本部に庁内外との人的な受援を調整する「受援班」を設置し、取り組み手順も決めている。

 物的支援についても同様で、物資集積拠点や受け入れ手順を設定。個人から提供される物資は、受け入れや仕分けに膨大な労力がかかるため、原則受け入れないとしている。

 受援計画は災害時に機能するのか。市では23年1月に計画に基づいて訓練したところ、「うまく回らない部分もあった」と反省点も見つかった。早速、同10月に計画を改訂。県のモデルを活用しながらも、より市の実態に合った実効性のある計画に仕上げたという。

 市の担当者は「受け入れ体制は整った。ただ災害では場合、場合に応じた対応が必要になる。随時見直したい。(非常時優先業務を示した)業務継続計画についてもより精度を高めるため、訓練したい」と話している。

■ボランティア生かせ

 能登半島地震では、少しずつ一般ボランティアの受け入れが広がっているが、まだ十分な体制ができていない。当初は「ボランティアを控えてほしい」という声も行政側から相次いだ。

 県災害ボランティアセンターは一般ボランティアを募って3月20、21日に石川県七尾市で被災家屋の片付け、災害ごみの運搬などをした。現地では金沢市を拠点に活動するため、被災地までの距離が遠く、活動時間は限られた。支援のニーズにはまだまだ対応できていない状況があったという。

 センターの南出孝さんは「石川県では県で一括してボランティアの対応をしていたが、和歌山では各社会福祉協議会で支援を受け入れる仕組みがある。ただ、水害と震災ではボランティアの仕事も異なる。能登では余震で危険だったり、道路状況も悪かったりと、受け入れが難しかった部分はある」とみている。

 「能登では長期的にボランティアが必要で、引き続き協力をお願いしたい」と呼びかけるとともに、将来発生が予測される巨大地震に向け「私たちもより行政との連携が必要と感じている。『力になりたい』という民間の思いをできる限り生かせる準備をしたい」と話している。

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