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「片付けプロ」と空き家を掃除 参加者はノウハウ学べて地域貢献、和歌山・すさみ

処分する物を軽トラックの荷台へ積んでいく参加者(和歌山県すさみ町周参見で)
処分する物を軽トラックの荷台へ積んでいく参加者(和歌山県すさみ町周参見で)
 「片付けのプロ」と一緒に空き家をきれいにすれば、手伝う人はそのノウハウを学べて、空き家の持ち主の負担も減るのではないか。こんな考えを形にした取り組みが、和歌山県すさみ町周参見で23、24日にあった。


 県内でも活動する一般社団法人「日本ウェルビーイング推進協議会」(沖縄県)と、片付け講座などを展開している企業「ホームポート」(福岡県)が「空き家片づけワーケーション」と銘打ち初めて企画した。地域の課題解決につながるとして、町が協力した。

 会場になったのは、周参見小学校近くにある木造平屋の空き家。持ち主の山本宗男さん(43)=田辺市湊=によると、祖父(故人)が数十年前に購入し、少なくとも15年ほどは空き家の状態だった。

 町中心部の立地で外観がしっかりしていることもあり、以前から使い道はないかと考えていた。町側から企画を打診され、応じることにした。「地域の人たちが集えるような場所になればうれしい」と話す。

 企画には県の内外から約20人が参加。洋服や家具、家電、食器などをいったん出し、処分するか、まだ使えるかで分けていった。

 ホームポート代表の西崎彩智さん(57)は「片付け作業からは没入感が得られ、終われば達成感があるし、参加者同士のつながりも生まれる」と意義を語る。

 協議会代表理事の島田由香さん(50)は「空き家がきれいになることで、参加者のウェルビーイング(心身ともに良い状態)につながるし、持ち主はその後の使い道を考えるようにもなるはず」と話す。潜在的なニーズはあるとして、今後も自治体と連携して同様の企画を展開したいという。

 今回の会場になった空き家は、片付けが終わった後、町の一般社団法人「すさみキャンパス」などで活用できないか検討する。



 人口減少や高齢化などの影響で、空き家は増えている。総務省の調査では、総住宅数に占める空き家の割合は13・6%。和歌山県は20・3%と都道府県別で上から2番目だった(2018年時点)。

 すさみ町の16年の調査では、町内の全建物3736件のうち、空き家と推定される物件が504件あった。現在はこれより増えているとみられるという。

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