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「中南米フェスを田辺で」 高校生が次世代交流で提案、和歌山県人会世界大会

中南米県人会との次世代交流について提案する田辺高校の生徒(7日、和歌山県田辺市文里2丁目で)
中南米県人会との次世代交流について提案する田辺高校の生徒(7日、和歌山県田辺市文里2丁目で)
 中南米の和歌山県人会と県民の次世代交流を考えるシンポジウムが7日、田辺市文里2丁目のハナヨアリーナであった。ブラジル、メキシコ、ペルー、アルゼンチンの4カ国の県人会や田辺高校の生徒らが参加。若者同士の交流発展に向け、高校生から「中南米の食や文化に触れるフェスを田辺で開催したい」と提案があり、会場一体で盛り上がった。


 和歌山は全国屈指の海外移民県。在外県人会には100年を超える歴史を持つ会もある。しかし、世代交代が進み、活動が停滞するケースもある。若い世代を中心に移民の歴史を知らない県民も増えている。シンポジウムは「第2回県人会世界大会」開催を記念して、県と県中南米交流協会が企画した。

 田辺高生10人は今夏、中南米4カ国の若者とオンラインでの交流を2回体験した。移民の歴史や県人会の活動に触れ、中南米への関心が高まったという。

 交流を深める上での課題が言語の壁。そこで「壁を壊すのではなく、回り込む交流」として考えたのが中南米フェスだった。ブラジルで日系人が「日本祭り」という大規模なイベントを毎年開催していることがヒントになった。

 「音楽や食、スポーツなど言語が壁にならない交流を通じ、興味を持つきっかけをつくりたい。例えば商店街で中南米料理の屋台を開けば、気軽に異文化に触れられ、地域活性化の相乗効果も期待できる。フェスから持続的な交流につなげ、和歌山とブラジルの交換留学などにも発展できればいい」と展望を述べた。

 提案を受けてのパネルディスカッションでは、日系ブラジル人3世のアンジェロ・イシ武蔵大学教授が「中南米への情報不足と無関心が交流の最大の課題。それを解決するきっかけになる」と賛同した。

 県中南米交流協会の真砂睦代表は「若者の交流参加をどう促すかが悩みだったが、機は熟した。フェスのアイデアは県人会と話し合いながらつくっていくことが大切。一過性でなく後輩たちにつないでほしい」と期待を込めた。

 田辺高2年の中野哲君は「県人会が日本に親しみと強い関心を持ってくれていることに感動した。中南米が一気に身近になった」、1年の廣瀬千華さんは「広く海外に目を向けたいと意識が変わった。コミュニケーションが取れるよう語学を頑張りたい」と交流発展へ意気込みを語った。

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