有害捕獲シカの後始末/大型配水管埋めて利用/森林管理署
和歌山森林管理署(和歌山県田辺市新庄町)は、有害獣捕獲したニホンジカの後始末の方法として、コンポスター(堆肥箱)のように大型配水管を地中に埋め、上部から残渣(ざんさ)と腐敗臭防止のぼかし剤を投入して処理する試験を続けている。従来の焼却処理に比べて低コストで運搬も容易。関係者は「残渣がたまれば配水管を引き抜いて完全に埋設でき、配水管は再利用できる」と話している。
シカによる農林への被害は、紀南地方でも深刻な問題になっている。市町村は狩猟と有害獣駆除で管理捕獲を試みているが、捕獲後の残渣処理には頭を悩ませる。また、ジビエとして食肉利用しても残渣は発生する。
基本的に狩猟や有害獣捕獲で発生した残渣は一般廃棄物と見なされ、捕獲者が現場で埋設するか自治体施設で処理することになる。
現場での埋設は、大きな穴を掘らないといけないことと、クマやイノシシなどの野生動物を誘引してしまう可能性がある。焼却処分についても、焼却炉を占用してしまったり、燃料費などの経費がかさんだりしてしまう問題がある。
実際には持ち帰るまでには至らず、現場での埋設処理がほとんどという。
森林管理署では、千葉県鋸南町で実施していた対策を参考に、2年前から日高川町の国有林内で試験を始めた。大型配水管は直径1メートル、長さ4メートル。ポリエチレン樹脂製で軽量で扱いやすい。ショベルカーなどで上部1メートルを残して埋め込む。3人がかりで約半日で完成した。さらにクマがふたの上に乗っても大丈夫なように鉄板で補強した。実際、試験中にクマが来てふたの一部にかみ跡を残している。
1基の設置費は60万円ほど。自治体施設で焼却処理するよりもはるかに低コストで、現場近くに設置すれば搬送も容易という。
当初は悪臭が発生したが、家庭のコンポスターなどに使うぼかし剤をシカ投入時に混ぜることで大幅に軽減できた。
この結果、2021年4月に設置した配水管には約80匹分の残渣を入れており、底からの高さは2・3メートルになっている。22年4月に設置した配水管には約60匹を入れて、底から1・5メートルほどたまっている。
今後、配水管を引き抜いて埋設した場合の土壌調査などを行う。さらにぼかし剤についても専門家の見解を聞くという。
森林管理署は「有害獣駆除をスムーズに進める手助けになると思うので、興味のある人は問い合わせてほしい」と話している。
シカによる農林への被害は、紀南地方でも深刻な問題になっている。市町村は狩猟と有害獣駆除で管理捕獲を試みているが、捕獲後の残渣処理には頭を悩ませる。また、ジビエとして食肉利用しても残渣は発生する。
基本的に狩猟や有害獣捕獲で発生した残渣は一般廃棄物と見なされ、捕獲者が現場で埋設するか自治体施設で処理することになる。
現場での埋設は、大きな穴を掘らないといけないことと、クマやイノシシなどの野生動物を誘引してしまう可能性がある。焼却処分についても、焼却炉を占用してしまったり、燃料費などの経費がかさんだりしてしまう問題がある。
実際には持ち帰るまでには至らず、現場での埋設処理がほとんどという。
森林管理署では、千葉県鋸南町で実施していた対策を参考に、2年前から日高川町の国有林内で試験を始めた。大型配水管は直径1メートル、長さ4メートル。ポリエチレン樹脂製で軽量で扱いやすい。ショベルカーなどで上部1メートルを残して埋め込む。3人がかりで約半日で完成した。さらにクマがふたの上に乗っても大丈夫なように鉄板で補強した。実際、試験中にクマが来てふたの一部にかみ跡を残している。
1基の設置費は60万円ほど。自治体施設で焼却処理するよりもはるかに低コストで、現場近くに設置すれば搬送も容易という。
当初は悪臭が発生したが、家庭のコンポスターなどに使うぼかし剤をシカ投入時に混ぜることで大幅に軽減できた。
この結果、2021年4月に設置した配水管には約80匹分の残渣を入れており、底からの高さは2・3メートルになっている。22年4月に設置した配水管には約60匹を入れて、底から1・5メートルほどたまっている。
今後、配水管を引き抜いて埋設した場合の土壌調査などを行う。さらにぼかし剤についても専門家の見解を聞くという。
森林管理署は「有害獣駆除をスムーズに進める手助けになると思うので、興味のある人は問い合わせてほしい」と話している。