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家庭内の障害者虐待過去最多 和歌山県で21年度、前年度の3倍

和歌山県内の養護者による障害者虐待件数など
和歌山県内の養護者による障害者虐待件数など
 2021年度の家族ら養護者による和歌山県内の障害者虐待件数は44件で、調査が始まった12年度以降、最多になったことが県のまとめで分かった。それまで最多だった20年度の3倍に急増。相談・通報件数や虐待を受けた人数も最多となった。コロナ禍で在宅時間が増えたことなどが影響したとみられる。

 県によると、市町村などに寄せられた相談・通報件数は67件。増加傾向にあり、過去最多だった20年度の40件を27件上回った。虐待と判断した件数と被虐待者数も、いずれも20年度の15件、15人が最多だったが、21年度は44件、44人と大幅に増えた。

 虐待の種別(重複あり)は、たたく、殴るなどの「身体的虐待」が35件、暴言などの「心理的虐待」と「放棄・放置」がそれぞれ7件、必要な生活費を渡さなかったり金銭を搾取したりといった「経済的虐待」は5件で、「性的虐待」はなかった。

 虐待を受けた人の性別は女性が33人、男性が11人。障害の種別(重複あり)は精神障害が20人、身体障害が16人、知的障害が15人などだった。

 虐待者は夫が14人、父が7人、母と兄弟姉妹が各6人、息子・娘が4人、妻が2人などだった。

 虐待件数が大幅に増加し、過去最多になったことについては、コロナ禍で在宅時間が増えたことが要因とみられる。

 加えて県は「通報義務が課された障害者虐待防止法施行から10年たって趣旨が浸透し、相談・通報件数が増えた」と話している。

 一方、障害者福祉施設従事者らによる虐待は、相談・通報件数17件のうち2件を認めた。障害者支援施設2施設で、男性4人が生活支援員から身体的虐待や心理的虐待を受けたとし、県は施設に指導などした。

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