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海好き集まる拠点に 田辺市で人材育成「海来塾」始動

海来塾の拠点前で活動について話す山西秀明さん(右)と就業体験で訪れた武居佳穂さん=和歌山県田辺市中屋敷町で
海来塾の拠点前で活動について話す山西秀明さん(右)と就業体験で訪れた武居佳穂さん=和歌山県田辺市中屋敷町で
 海藻のヒロメを研究する「ヒロメラボ」(和歌山県田辺市神島台)の山西秀明代表(38)が、海の人材育成プロジェクト「海来(みらい)塾」をスタートさせた。田辺市中屋敷町の空き家を海好きが集まる宿泊・活動拠点に改修。研修や交流を通じ、海の仕事の入り口をつくりたいという。


 海来塾は水産業やマリンスポーツに関心のある人、学生、副業などで海に関わりたい社会人などが対象。水中カメラやダイビング器材、専門書の貸し出し、潜水士や小型船舶など資格取得のサポートなどもする。 活動拠点は山西さんが小学5年生まで暮らしていた母親の実家。祖父母が亡くなって10年ほど空き家になっていたが、昨年から少しずつ改修していた。個室4部屋と共有スペースがある。紀南に長期滞在する際に宿泊できるほか、勉強会や魚の解剖にも使える。

 山西さんは「魚の解剖は臭うので、場所を借りるのが難しい。海好きだけが集まるここなら、問題ない」と笑う。

 就業体験で田辺市を訪れた東海大学海洋学部1年生の武居佳穂さん(19)は、15日から1週間ほど拠点に滞在して、ヒロメの養殖やサメの解剖に携わる。

 「さまざまな魚を捕まえて研究している。天神崎では深海魚サギフエの幼魚を捕獲した。海の環境は地域により異なるが、紀南は興味深い。ヒロメを見たのも初めて。また、仲間を連れて訪れたい」と話した。

 山西さんは「これまで海に特化した拠点がなかった。若手を育成し、人手不足の解消や、将来的には水産振興につながる活動になればいい」と話している。

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