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児童が能学ぶ 小学校で体験授業、田辺市

能楽師の指導を受けて、小鼓の演奏を体験する児童(和歌山県田辺市東陽で)
能楽師の指導を受けて、小鼓の演奏を体験する児童(和歌山県田辺市東陽で)
 和歌山県田辺市東陽の田辺第二小学校で8日、能の体験授業があった。6年生51人が楽器の演奏法を教わったり、田辺にゆかりがある武蔵坊弁慶が登場する演目を鑑賞したりして、日本の伝統芸能に親しんだ。

 能の普及や能を通じた教育活動などに取り組む一般社団法人「一乃会」(東京都)の主催。一乃会代表理事の鈴木啓吾さん、和歌山県出身の上田悟さんら能楽師6人が講師として来校し、能の歴史やそれぞれの楽器の特徴などを紹介した。

 能は室町時代から続く音楽劇。楽器は笛、小鼓、大鼓、太鼓の4種類で、演奏は「音階」ではなく「リズム」を主体としていることを説明した。さらに「イヨー」「ホーオ」など能独特の掛け声は、演奏者がその場で自由に発しているのではなく、演奏者同士が意思を共有するために発するもので、それぞれに役割があると伝えた。

 弁慶や源義経が登場する演目「船弁慶」の謡曲の一部を全員が声を合わせて謡ったほか、代表の児童が小鼓、大鼓、太鼓の演奏を体験したり、太刀となぎなたを使った動きに挑戦したりした。最後は能楽師6人が「船弁慶」の一部を上演。シテ(主役)の鈴木さんが演奏に合わせて謡曲とダイナミックな動きを披露した。

 鑑賞後、森川奈々美さんは「演じている時とそうでない時が別人のように感じた。かっこよかった」、太鼓の演奏を体験した谷結人君は「難しかった。能の音楽は、普段聴いているものとは全然違う。迫力がある」と話した。

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