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田辺中・高に「朝の読書大賞」 始業前、10年以上続く

朝の読書に取り組む生徒と教員(右)=和歌山県田辺市学園で
朝の読書に取り組む生徒と教員(右)=和歌山県田辺市学園で
 和歌山県田辺市学園の田辺中学校・高校が、読書活動の推進に取り組んだ学校を表彰する第15回高橋松之助記念「朝の読書大賞」を受賞した。県内では初めての受賞。10年以上続けている始業前の読書活動などが評価された。


 「朝の読書」は、学校の始業前に行う「みんなでやる」「毎日やる」「好きな本でよい」「ただ読むだけ」を原則とした自由な読書活動で、1988年に千葉県の高校教員2人が提唱。朝の読書推進協議会が普及に努めている。「朝の読書大賞」は、この活動に賛同した、大手出版社「トーハン」の故高橋松之助・元社長を顕彰する公益財団法人が主催している。

 田辺中学校・高校では2011年から、定期テスト期間を除く毎朝、ショートホームルームを始める前の10分間で、全校生徒と全教員が取り組んでいる。

 読書の時間が始まると、教室で生徒と担任教員が一斉に本を広げて読書に集中する。自習の時間ではないため、英単語帳や参考書は読んではいけない。漫画本も不可としているが、それ以外の細かなルールはない。本は自分で購入したり、図書館で借りたりするほか、教室の学級文庫から選ぶ生徒もいる。

 中学3年の城戸花心さんは「ライトノベルなどの小説をよく読んでいる。自分の好きな世界に浸れて楽しい」と話す。

 西嶋淳校長は「読書を通じて豊かな人間性を培うことは学校が掲げる教育目標の一つで、重点を置いている活動。受賞は今後の励みになる」と語った。


■他にも多彩な活動

 田辺中・高では、朝の読書のほか、お薦めの本を紹介し合って最も読みたい1冊を決める大会「ビブリオバトル」や本に関する講演会といった多彩な読書活動にも取り組んでいる。

 高校では各教科の担当教員による推薦図書30冊を紹介する冊子を生徒に配布。さらに、図書部員が手作りした本の紹介カード「ポップ」をみなべ町立図書館に展示するなど、地域との交流が盛んなことも評価された。

 朝の読書大賞は自薦、他薦による全国公募制。今回は田辺中・高を含む3校が選ばれた。推進協議会によると、朝の読書は今年5月現在、全国約2万6千校で実施されている。県内では小学校180校(実施率73%)、中学校112校(同88%)、高校17校(同36%)。

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