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教育にデータ活用を 地域連携でセミナー

公開データと地域連携をテーマにした地域学習セミナーで講演する「授業デザイン研究所」の三浦隆志代表(和歌山県田辺市新庄町で)
公開データと地域連携をテーマにした地域学習セミナーで講演する「授業デザイン研究所」の三浦隆志代表(和歌山県田辺市新庄町で)
 和歌山県情報化推進協議会(WIDA)と紀伊民報は29日、田辺市新庄町のビッグ・ユーで、高校教員らを対象に地域学習セミナー「公開データを活用した地域連携のあり方を考える」を開いた。「探究学習」などの教育活動に公開データを生かす方法や、地域との連携について専門家が講演した。オンラインでも同時開催し、教員や企業経営者ら約40人が聴講した。

 授業改善や情報通信技術(ICT)のアドバイザーとして全国で活動している「授業デザイン研究所」代表の三浦隆志さん(岡山市)は「今、高校教育で『情報活用能力』が重視されており、この能力を高める上でもデータを取り扱い、吟味する教育活動が重要になってきている」と指摘。探究学習の発表は、情報活用能力が発揮できる場であると話した。

 県データ利活用推進センター長の稲住孝富さんは公開データの利活用ツールを紹介。データの見方や分析の仕方など気軽に相談してほしいと呼びかけた。

 ベネッセコーポレーションの馬渕直さんは探究学習について、生徒の興味・関心に基づいてテーマを設定すること、成果だけでなくその過程も評価して生徒が自身の成長を実感できる振り返りの機会を設けること、担当教員だけでなく組織を設けて校内で情報共有すること、各分野の専門家など地域と連携して進めることなどをアドバイスした。

 地域連携の実践事例では熊野高校が患者の胸部を覆うAED(自動体外式除細動器)シートの作成やAED設置場所のマップ作りなど、串本古座高校は町内の公園や避難場所などをデータ化して公開していることなどを紹介。神島高校は課外活動「神島屋」の取り組みや本年度から始めた「神島塾」について説明した。南部高校は学校での座学と企業での1年間の実習を組み合わせた「南高版デュアルシステム」によって地域社会で活躍できる人材育成を目指していることを紹介した。

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